「誰でもよかった」埼玉篇

『毎日』の記事;


女子大生刺殺:容疑の20歳男逮捕「誰でもよかった」

毎日新聞 2014年10月16日 11時57分(最終更新 10月16日 13時33分)


 埼玉県入間市の路上で15日夜、女子大学生が刃物で刺し殺される事件があり、県警捜査1課などは16日未明に出頭してきた同市豊岡5の私立大2年生、沼田雄介容疑者(20)を殺人容疑で緊急逮捕した。「誰でもよかった」「(女子大生のアルバイト先の)コンビニから後をつけた」などと供述しており、同課は経緯を調べている。

 同課などによると、死亡したのは同市豊岡1の私立大3年生、佐藤静香さん(21)。沼田容疑者とは大学が別で、同容疑者との交友関係などは確認されていないという。

 沼田容疑者の逮捕容疑は15日午後10時15分〜同45分、佐藤さんの自宅近くの路上で佐藤さんの胸など数カ所を刃物で刺し、死亡させたとしている。

 同容疑者は16日午前1時20分ごろ、「人を刺した」と県警狭山署に出頭。供述通り、現場近くの路上で凶器とみられるナイフが見つかったことなどから緊急逮捕した。

 近くの住民らによると、佐藤さんは自宅近くのコンビニエンスストアでアルバイトをしており、15日は午後10時過ぎに勤務を終えて店を出たという。佐藤さんと学年は違うが同じ小学校に通っていた近くの女子学生(22)は「夜は真っ暗。物陰に人が隠れていても分からず、普段から怖いと思っていたが、まさかこんなことが起こるなんて」と驚いていた。【山寺香、大島英吾】
http://mainichi.jp/select/news/20141016k0000e040210000c.html

『毎日』のサイトでは、「誰でもよかった」を鍵言葉とした関連記事が何本かリンクされている。記憶に新しいのは、佐世保市の高校同級生殺人事件だろうか*1。「誰でもよかった」ということで殺したということは、(生物学的)生命を奪う以前に、どの個人も持つ唯一無二性を殺しているのだということはいいたい。殺して直ぐに自首しているということから、もしかして罰せられたい、あわよくば死刑になりたいという欲望があったのかも知れないなどと勝手に想像してしまう。
〈死に場所〉を求めるんだったら、シリアに行ってよとも思ったのだが、would-be Jihardistの北海道大学*2についての『産経』の報道;

2014.10.8 20:01
「風俗に連れて行って」…戦闘志願の北大生、本気じゃなかった?


 警視庁公安部が、イスラムスンニ派過激派組織「イスラム国」の戦闘参加を企てたとして、北海道大の男子学生(26)=休学中=を事情聴取した事件が、意外な展開を迎えている。学生は渡航計画前から死を意識し、「自殺する」「風俗に連れて行ってほしい」などと精神的に不安定で、警察や周囲を振り回していたという。お騒がせ学生の真意を探った。

 「『シリアで新しい国づくりに携わりたい』と言っていたが、とってつけたような印象だった。本気で行くつもりはなかったのではないか」

 学生と面識のあったジャーナリストの常岡浩介氏(45)は会ったときの印象をこう振り返った。常岡氏は8月に2回、今月4日にも学生と面談。シリアへの渡航にも同行して取材する予定だったという。

 シリアの反政府武装組織に戦闘員として加わることを目的に海外渡航を企てた疑いがかけられている学生。8月にもシリア行きを計画していたが、「仲間内のトラブル」(捜査関係者)が原因で渡航を取りやめていた。常岡氏にはその理由をこう説明していた。
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/141008/evt14100820010036-n1.html

「私には、『パスポートが盗まれたから警察に自分で通報して被害届を出した』と言っていた」

 捜査関係者によると、渡航に失敗した8月の段階で、警察と接触してイスラム国への加入計画も明かしていたという。

 こうした経緯もあり、常岡氏は、取材当時から学生の真意を図りかねていた。

 「警察の事情聴取を受ける前にイスラム教に改宗していたが、それも形だけのようだった。一見陽気に振る舞っていたが、『自殺する』とか『死ぬ』とか何度も口にして精神的に不安定な様子だった」(常岡氏)

 学生のものとみられるツイッターには「死にたいにゃんinイスラーム国」「もうすぐ死ぬのでお勧めの風俗に連れて行って下さい」などと不可解な書き込みが目立つ。

 学生がシリア行きを思い立ったきっかけは東京・秋葉原古書店に張り出されていたチラシだ。

 「求人 勤務地シリア 詳細、店番まで」などと記された“求人広告”で、今年4月ごろ、古書店関係者が張り出された。公安部によると、この関係者の要請に応じて、イスラム法学が専門の元大学教授がシリアへの渡航を仲介したという。事件が発覚した7日、元教授の都内の自宅も警視庁公安部の家宅捜索を受けている。

 常岡氏は、「掲示されたチラシ自体が、いたずら半分の悪ふざけだったのかもしれない。私の自宅も家宅捜索を受け取材に必要な機材をすべて押収された。計画していたシリア取材にも行けなくなった。悪質な取材妨害だ」と憤る。

 人騒がせにもほどがある。
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/141008/evt14100820010036-n2.html

もしかして、この北大生も〈死に場所〉を求めると同時に、或いはそれよりも、罰せられたいとか叱ってもらいたいという欲望があったのだろうか。国家権力(公安警察)が取るに足らない大学生の自分に態々かまってくれることを欲望したというか。だとすれば、逮捕・拘束されている現在は無上の幸せ?
この北大生のことから、「日本赤軍*3を連想した人もいるようだ*4。その「日本赤軍」のメンバーのひとり、城崎勉氏が帰国するという。
『産経』の記事;

日本赤軍元メンバーを釈放後に警視庁が逮捕へ 米国で収監中

産経新聞 10月16日(木)13時31分配信


 1977年のダッカ日航機乗っ取り事件をめぐる超法規的措置で釈放後、米国に拘束され収監中だった元日本赤軍メンバー、城崎勉受刑者(66)が来年1月16日に釈放される見通しとなったことが16日、捜査関係者への取材で分かった。釈放後は日本に強制送還されるとみられ、警視庁公安部はインドネシアで発生した日本大使館襲撃事件に関連し、現住建造物等放火未遂の国際手配容疑で逮捕する方針を固めた。

 襲撃事件では86年5月、インドネシアの首都・ジャカルタで米大使館と日本大使館に迫撃弾が撃ち込まれるなどした。公安部によると、城崎受刑者は襲撃犯が潜伏していたホテルの部屋に放火し、焼損させようとした疑いが持たれている。

 室内で城崎受刑者の指紋を発見。放火直前に迫撃弾が発射されており、証拠隠滅を図った疑いがある。警視庁は92(平成4)年、国外犯規定に基づき国際手配した。

 富山県出身の城崎受刑者は徳島大学中退後、日本赤軍の前身、共産主義者同盟赤軍派に参加。資金調達で金融機関などを襲う「M作戦」に関与したなどとして71(昭和46)年に逮捕、懲役10年が確定して服役したが、ダッカ事件で人質と引き換えに超法規的措置で釈放、出国していた。

 96年9月にネパールで身柄拘束されて米国に移送。米大使館襲撃事件などをめぐり、禁錮30年の判決を受けた。模範囚として釈放されるという。米司法省は国外退去処分とする可能性が高く、公安部は日本へ送還後、逮捕する方針。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141016-00000535-san-int

徳島大学中退」ということは、中村修二*5の先輩に当たるのか。