Go West! など

某マイミクさんが李安の『ブロークバック・マウンテン』*1を観たというので、それにつられて、梁文道「従《断臂山》回到西部」(in 『噪音太多』*2、pp.196-197)からちょっとメモ。
梁文道氏は先ず『ブロークバック・マウンテン』の背景としての「西部片」(西部劇)というジャンルに言及する。西部劇の背景には米国におけるGo West! (「西進運動」)という運動がある。太平洋にぶち当たる桑港はGo West! という運動の終点、すなわち西部の果て。西部劇に海は登場しない。1960年代における桑港への再度の「西進運動」。梁氏はヴィレッジ・ピープルの”Go West”という曲に言及する。これは「同志」*3の楽園たる桑港へ行けということ。『ブロークバック・マウンテン』の重要な要素である「牛仔」(カウボーイ)であるが、実はカウボーイというのは米国の「同志」にとって重要な萌え対象となっており、「同志」向けのストリップにおいてカウボーイは定番的な演目となっており、「同志」向けのポルノ映画でもカウボーイ物はひとつのジャンルをなしており、その重要性はヘテロ男向けポルノにおけるナースに匹敵するという。また、舞台がワイオミング州内陸部であることの重要性。
そういえば、カリフォルニア=加州*4が全篇を支配する映画といえば、王家衛の『重慶森林(Chungking Express)』(『恋する惑星』)。

恋する惑星 [DVD]

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