夜桜など

東京新聞』の記事;


夜桜ポリス、更生も指導 日本人街娼急増に対応

2010年12月25日 13時55分

 東京都内の盛り場の路上に立ち、男性客を売春に誘う日本人女性が急増している。十年前は外国人が圧倒的に多く、逮捕者全体に占める日本人の割合は4%にすぎなかったが、最近では三人に二人が日本人と逆転。安易な小遣い稼ぎが動機の若い女性が目立つという。警視庁保安課は、背後に暴力団がいるとみて、専門の女性捜査官を通称「夜桜ポリス」と名付け、売春の取り締まりと女性保護に本格的に乗り出した。

 「買って。私エッチできる。ホテル代別で二万円」。今月十三日夜、新宿区歌舞伎町の雑居ビル前の路上で、こんな言葉で道行く男性を売春に誘ったとして、二十一歳の女が売春防止法違反(勧誘)容疑で保安課に現行犯逮捕された。

 捜査関係者によると、女は「借金を返すために、街娼(がいしょう)で月三百万円稼いでいた」と供述。同じ雑居ビル前では今月、他にも二十歳と二十三歳の若い女が売春客を待っていたとして、同法違反容疑で現行犯逮捕されている。

 三人は「知らないおじさんから、あそこに立てばお客が見つかると言われた」とも話しており、同課は女性たちの背後で暴力団が手引きし、一日三千円前後の手数料を徴収して資金源にしているとみる。

 同課によると、都内の街頭で売春の勧誘をしたなどとして今年、同法違反容疑で逮捕された女性は百二十九人(二十日現在)で、七割近い九十人が日本人だった。十年前とは様相が一変しており、当時は逮捕者六十八人の大半がタイやコロンビアなどの外国人で、日本人はたった三人だった。

 今年の逮捕者には十四歳の少女も含まれている。同課幹部は「どの子も高級ブランド品を身に着けており、背伸びして着飾りたいため、街娼の道に走るのではないか。風俗店のように規律がなく、自分が客を選べる気楽さもある」と推測する。

 摘発と保護に当たる夜桜ポリスは、子どもや女性を狙った犯罪の取り締まりで実績がある「さくらポリス」にあやかって命名。女性捜査官を従来の四人から五人に増強した。

 五人は三十〜四十代で、同課幹部は「母親や姉のつもりで、売春するようになった経緯を聞き取り、人情の機微に触れる言葉で二度と手を染めないよう導きたい」としている。

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010122590135346.html

「夜桜」とはまだそんな季節ではなく、また坂本冬美を想起させるということもある。また、「街娼」とはかなりレトロな言葉ではある。
ところで、「 どの子も高級ブランド品を身に着けており、背伸びして着飾りたいため、街娼の道に走るのではないか」という警察筋のコメントが載っているが、消費の誘惑が若い女性をして堕落の道を歩ませるといった〈反消費社会〉的な言説を吐きたくて吐きたくてしようがない連中というのは、右にも左にもけっこういるんじゃないだろうか。ただ見落としてはいけないのは、「高級ブランド品」というのは〈仕事着〉だということだ。もしぼろい服を着て道端に立っていたとしても、怖がって、或いは気持ち悪がって、客はよりつかないだろうよ。