After George Michael?


47Newsから;


伊誌、日本のクリスマスを特集 「愛の祭」「教徒わずか」

 【ローマ共同】カトリックの総本山、バチカンを抱えるイタリアの有力誌ベネルディは24日、日本のクリスマスについて「人口のわずかしかキリスト教徒がいないのに多くの人がプレゼントを交換しあうほか、男女の愛の祭りとなっている」との特集記事を掲載した。

 大半がカトリック教徒のイタリアでは24日深夜から25日未明にかけ教会でミサに参加、クリスマスは静かに家族で祝うのが通例。「非キリスト教国」日本の様子は奇妙に映っているようだ。

 記事は「クリスマスの東京 愛を祝う」との見出しで、イブに日本人は「家族や友人と外食に出かけ酒を好きなだけ飲む」「安価な人形からダイヤモンドをちりばめた宝石まで、プレゼントを贈り合う」と紹介。
2010/12/25 09:32 【共同通信
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010122501000102.html

この伊太利の雑誌は日本よりもさらに伊太利に近い(例えば)埃及のようなイスラーム社会でも脱基督教化されたかたちでクリスマスが享受されているということにもっと驚くべきだとはいえる(故大塚和夫先生*1のご教示)。日本におけるクリスマスの変容が1983年の『an-an』に始まるという言説が最近再び注目されている*2。しかし、それは間違ってはいないにせよ、一国主義的な見方だろうとはいえる。つまり、グローバルな範囲で、中華圏やイスラーム圏も含めて、脱基督教化された消費のお祭りとしてクリスマスが享受されるようになる過程が重要なんじゃないかと思う。それが何時頃からなのかはわからないけれど、ひとつのヒントはあるように思う。日本で1980年代のクリスマス・ソングといえば山下達郎の「クリスマス・イブ」ということになるのだろうけど、グローバルなポップということでは1984年のワム! の”Last Christmas”(ジョージ・マイケル作)ということになるだろう。”Last Christmas”の特徴は伝統的なクリスマス・ソング(例えば”Joy to the World”)と比べて、クリスマスを一気に脱基督教化してしまったということだ*3。クリスマスが(英国のような)基督教社会でも、また中華圏やイスラーム圏においても、脱基督教化されて、恋愛や消費の祭りとして享受されるようになったのは、1980年代前半辺りからだったのか。そこら辺については識者のご教示を俟ちたいのだが、ともかくワム! の曲がクリスマスの意味転換のマーカーであるということはいえるだろう(See also 梁文道「聖誕音楽情歌化」in 『噪音太多』*4、pp.79-80)。