夢の続きは見られない

私たちは夢を見ているとき、夢を見ているとは思っていない。夢が夢であったことに気づくのは目覚めた後だ。ただ、個人差はあるのだろうが、目覚めた後、急激に内容は忘れてしまう。幾つかの強いイメージが脈絡から切り離されて断片的に記憶に残るだけ。一旦目覚めて、二度寝しようとするのは、ただまだ眠いからという以外に、夢の続きが見たい、或いはもう一度眠れば忘れてしまった夢を思い出すんじゃないかと思うからだ、ということも屡々ある。
日曜の朝見た夢。別に夢の中で怖い目に遭ったわけではない。勿論細かい内容は起きて数分の間に忘れてしまったが、ただ夢の舞台となった土地は東京と上海がミクスチャーされた土地だったという記憶だけは残った。何しろ、衡山路が文京区小石川の近くにあって、田子坊が第二京浜の沿線にあったのだ。二度寝したけれど、勿論夢の続きは見られなかった。