満洲国の影

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20090529#p1


これは文献的に裏を取ってほしいとは思う。
ただ、北朝鮮はどうかわからないが、戦後の韓国と日本が〈満洲国の影〉の下にあるということはたしかだろう。以前書いたのを再録する;


(前略)私たちは未だに〈満洲国〉の影の下にいるといっても過言ではない。戦後の日本(特にその象徴天皇制)は或る意味で満洲国の反復であり続けているわけだ。或いは、戦後日本の開発主義的行政。長野県知事になる前の田中康夫氏は神戸のことを「日本の平壌」と呼んだそうだが、1949年から69年まで神戸市長を務めた原口忠次郎は、もともと満洲国の首都・新京で都市計画や河川改修を手掛けていた。原口は安価に土地を買収し、インフラ整備によって地価を上昇させ、それを売却若しくは貸し付けることによって公共部門が収益を挙げるという「公共でデベロッパー方式」を生み出したが、その原型は満洲国、満鉄初代総裁である後藤新平の都市計画にある(松原隆一郎『失われた景観』、PHP新書、2002、pp.65-66)。あの酒鬼薔薇を生み出したのは満洲国であるといったら、暴論過ぎるだろうか。また、日本だけではなく、韓国でも朴正熙開発独裁政権を担ったのは、満洲軍官学校一期生を中心とした「満洲人脈」であり、その経済計画も満洲国の経済計画をモデルとしたものであった(『姜尚中にきいてみた!』、pp.273-275)。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050606
失われた景観―戦後日本が築いたもの (PHP新書)

失われた景観―戦後日本が築いたもの (PHP新書)

姜尚中にきいてみた!―東北アジア・ナショナリズム問答 (講談社文庫)

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