「もうひとつの日本語」

佐藤泉さんからCSF-MLへのメッセージ;


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        青山学院大学文学部 日本文学科主催
              国際シンポジウム 
               
             「もうひとつの日本語」

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2008年 9月27日 土曜日
13:00〜17:00 (12:30より開場)

青山学院大学 11号館 1135教室

第一部
【講演】 
金石範 「文学的想像力と普遍性」

第二部
【報告】
崔真碩 「翻訳の現場__李箱「翼」をめぐって」
佐藤泉 「引揚者の日本語」
片山宏行 「菊池寛と朝鮮」
【討議】
司会 李静和

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趣旨
かつて《文学》は、どこか特定の国家の名を冠して呼ばれ、理解されてきた。フランス文学、ドイツ文学、イギリス文学というように。この枠組みは現在も基本的には変わらない。青山学院大学文学部にも、英文学科、フランス文学科、そして《日本文学科》が設置されている。国名プラス文学という枠組みは、私たちが《文学》を理解する際の安定した環境となってきた。

・・・・《日本文学》という枠の外側に身を置いて、そこからあらためて《日本語》を考えることはできないだろうか。国際シンポジウム《もうひとつの日本語》は、この思いを出発点としている。

今回は《日本文学》の風景の外から《日本語》の表現者をお迎えして、ともに《日本語》あるいは《言葉》についてもうひとつ遠近法がありえないかについて考えてみたい。小説、政治思想と詩、翻訳。それぞれに異なる表現の場所から、どんな《日本語》が聞こえてくるだろうか。その響きに耳を傾けることから始めたい。その響きは、安定した《日本文学》の環境、その基底材たる《日本語》を深く当惑させずにはおかないことだろう。当惑し、そして、《日本語》との間の緊張感をふたたび取り戻したいと思う。

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発言者
金石範氏(キムソクポム) 小説家
李静和氏(リジョンファ) 成蹊大学法学部、政治思想、詩人
崔真碩氏(チェジンソク) 青山学院大学非常勤講師、現代朝鮮論、翻訳家
片山宏行 青山学院大学教員
佐藤泉 青山学院大学教員


交通アクセス
東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B1出口 徒歩5分
・JR山手線・東急東横線京王井の頭線「渋谷駅」宮益坂方面出口 徒歩10分
[ →地図はこちら ]
http://www.aoyama.ac.jp/other/access/aoyama.html
http://www.aoyama.ac.jp/other/map/aoyama.html

お問い合わせ
青山学院大学文学部日本文学科

ところで、「国名プラス文学という枠組みは、私たちが《文学》を理解する際の安定した環境」では既にないということは、日本(語)以外の文学を読んだり研究したりする人にとっては、かなり前から自明なことだったのではないかとも思った。例えば、カフカナボコフクンデラといった作家は所謂有名作家、つまり一般常識として名前くらいは知っていて当然と思われている作家であろうが、「国名プラス文学という枠組み」において理解可能な作家でもないだろう。