国学@上海

『朝日』の記事;


上海で儒教ブーム? 経営者、伝統回帰か

 上海で今秋、中国の伝統思想を教える有名大学の講座が相次いで開設される。かつて「封建主義の道徳」と批判されたものの近年復権しつつある儒教儒学)も扱う予定。対象とする主な受講者は企業経営者や公務員の管理職だ。急速な市場経済化でモラルが低下し、厳しい競争社会の下で生き方を模索しつつある人が増えた中国社会で、経営者らトップの間でも伝統思想を見直す動きが加速しているようだ。

 講座の一つを開くのは、北京の名門として知られる清華大学。社会人向けの「中華文化精髄と現代企業政策の高級研修クラス」を10月から上海市内で新設する。同大の説明では、1年コースで、定員は50人。受講生は企業の社長や会長クラス、幹部公務員に限定される。受講生の性格を反映してか、学費は2.6万元(約39万円)。上海にはこうした人材が集中するため、北京からあえて進出するという。

 儒教道教のほか「孫子の兵法」などを通じて企業管理や経営理念、経営戦略なども教える。教授陣には、国内各地の大学教授や軍の研究機関の専門家らが加わるという。

 上海の復旦大学も、9月から主に社会人向けのコースとして「国学と文化」を新設。複数の同大教授が1年間「論語」や「大学」「孟子」「荘子」などを精読し、儒教道教を中心に講義する。学費はこちらも3.8万元(約57万円)と高額だが、MBA(経営学修士号)などの資格を持った企業の管理職のほか台湾や香港からも申し込みがあるという。同コースの担当者は「管理職の多くは一気に進んだ市場経済化のなかで管理面などに悩みが深く、伝統思想から学ぶところが多いのではないか」と分析する。

 最近では、社内教育にも儒教思想を採り入れる企業が増えつつある。海南航空(本社・海南省)は「論語」を使った「中国伝統文化導読」を独自に編集し、全社員に配って社員向けの学習会などを開いている。

(09/02)
http://www.asahi.com/world/china/news/TKY200609020232.html

これについては、地元の新聞等でも少し前にけっこう大きく採り上げていたが、紹介する暇がなかったので、取り敢えずメモ。
中国において「国学」という言葉を使ったのは、章太炎を嚆矢とするかと思われるが、そのとき日本の影響があったかどうかは知らず。