まあ、
ID:bluenote1969
ご案内の通り、現在の京成本線船橋競馬場駅は、その昔は「センター競馬場前」*1という駅名でした。これもご存知の通り、この「センター」は船橋ヘルスセンターのことですが、それも含め、この駅名が現存していたら、どのように中国語で表示されていたでしょうか。「中心賽馬場前」?
健康中心・賽馬場
になるでしょうね。ただ、健康中心というと、医療施設じゃないかという誤解も生まれるでしょう。もっとも、「ヘルスセンター」でも、21世紀の日本人に対しては変な誤解を導く可能性がないとも言えない。
山田窓「中国語表記がかっこいい駅名たち」https://dailyportalz.jp/kiji/chugokugo-hyouki-kakkoii-ekimei
これを読んで、(著者も気づいていないようなのだけど)面白いと思うのがあった。
ゆりかもめの「テレコムセンター」駅*2の中国語表記が「遠程通信中心」になっていること。
希臘語に由来するteleという意味素はtelos(目的)という言葉とも関係があり、teleology(目的論)という用法もあるのだけど、一般的には〈遠〉という意味で使われている。例えば、telescope(望遠鏡)。また、telephone(電話)、telegram(電報)、television*3は、遠く離れた(tele)音(phone)や文字(gram)や映像(vison)をやり取りすること。「テレコム」の元であるtelecommunicationは、遠くとの(tele)コミュニケーション(通信)ということで、遠隔通信と訳してもかまわないと思うのだけど、telephoneが電話、telegramが電報と訳されているように、通常は電気通信というのが定訳になっている。まあ、実質的に、telecommunicationというのは電話+電報だけど*4。とすれば、「テレコムセンター」は
電気通信中心
になる筈であるのに、「遠」が復活して、「 遠程通信中心」になっているのはちょっと吃驚した。teleが「電」になるのは中国語でも同じ筈なのだ。中国の電話会社で英語名China Telecomの中国語での社名は中国電信である。
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140730/1406685196 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160323/1458664199 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/06/01/145035 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/08/09/092055
*2:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/06/18/075858
*3:中国語では電視と訳されている。
*4:telecommunicationは1対1の双方向的な通信であることによって、1対多の一方的通信である放送(broadcasting)から区別されることになっている。