「プラットホームで会いましょう 片渕須直」『京成らいん』(京成電鉄)719、pp.5-6、2020
この『この世界の片隅に』の片渕須直氏*1へのインタヴュー記事を読んで、もしかしたらこの人と電車の中で擦れ違ったことがあるんじゃないかと思えてきた。まあ、もしそうであっても、山田風太郎の小説と違って、大した意味はないのだろうけど。
片渕氏は1960年生まれ。
県立船橋高校に通った3年間は京成線を毎日使っていました。大阪の枚方で生まれたのですが川崎に越して、その後小6の夏休みに八千代に。高津団地*2なんですよね。バスで八千代台に出て、そこから京成津田沼へ行ったり京成船橋へ行ったり。まだ駅名が「船橋競馬場駅」*3でなく「センター競馬場前駅」でした(*1987年4月に改称)。そこで降りると駅前にコップ酒が飲める酒屋さんがあり、軒先に赤鉛筆がいっぱい落ちているんですよ(笑)。(p.6)
――アニメーションに感じた面白さとは?
アニメーションは映画として表現主義の要素が強い。たとえば黒澤明監督の『どですかでん』*4は建物の影を地面に絵で描いてある。そういうものが表現主義なのですが、アニメーションは究極の表現主義と思っていてそこが面白いですね。(ibid.)
――ところで新型コロナウィルスの感染が拡大していますが、今後社会全体がどう変わっていくと考えますか?
いろいろなものが衰弱していくのではないかと思います。その過程で、なくなってしまう分野も出てくるかもしれない。『この世界の片隅に』のプロデューサーとは「ミニシアターの人たちとも仲のよい付き合いをしてやっていこうよ」と話をしていたんですけど、そういう映画館こそ、この状況で営業できなくなっている。オンラインもいいですけど、映画館で映画を観るとスクリーンのなかの表現だけでだけではなく、大きな空間自体が映画の表現になる。「すずさん」がその世界の中にいるのを見つけてもらいたい気がするんですね。このコロナ禍が終わったときに、またみなさんに映画館を味わい直してもらい、新鮮さを感じていただけるかと思います。(ibid.)
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180324/1521830669 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/06/20/012258 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/12/10/112600
*2:See eg. https://www.ur-net.go.jp/chintai_portal/tenant/chiba/30_221.html
*3:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140730/1406685196 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160228/1456655841 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20181005/1538730662
*4:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110913/1315851926 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180720/1532109705