艶肌

大島健夫*1、村井貴幸「ツヤハダゴマダラカミキリ特定外来生物への指定について」『生命のにぎわいとつながり』(千葉県生物多様性センター)79、pp.3-4、2023


7月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、9月1日から「施行」され、「ツヤハダゴマダラカミキリAnoplophoria glabripennis」と「サビイロクワカミキリApriona swainsoni」(何れもカミキリムシ科)が「特定外来生物」に指定され、その飼育、輸入、譲渡、放出が禁止された。「ツヤハダゴマダラカミキリ」は2022年に千葉県野田市で発見されている(p.3)。


ツヤハダゴマダラカミキリは、中国・朝鮮半島原産で、アメリカ合衆国オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランドスロバキアなどの国に移入分布しています。
(前略)「生態系及び農林水産業への被害」に関して、ツヤハダゴマダラカミキリによるものは、樹木への食害です。幼虫が秋から冬にかけて広葉樹の内側を食べ、トンネルを掘りながら成長するため、様々な果樹、あるいは街路樹に被害を与えるのです。このことから、ツヤハダゴマダラカミキリは、国際自然保護連合が定める「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれています。日本国内でも、既に北は宮城県から西は山口県まで、複数の県でその生息が確認されています。(pp.3-4)

ツヤハダゴマダラカミキリは、郊外から都市部まで普通に生息している在来種のゴマダラカミキリと、とてもよく似ています。2~3.5cmほどの体長、黒地に白の斑紋がちりばめられていることなどいずれも共通していて、野外で瞬間的に見分けるのはなかなか困難です。しかし、よく見るといくつかの違いがあります(略)
すなわち、


①ツヤハダゴマダラカミキリは、上翅の付け根に粒状の突起がない(ゴマダラカミキリには必ずこれがある)
②ツヤハダゴマダラカミキリは、上翅の付け根にある三角の部分に白い毛がない(ゴマダラカミキリにはこれがあることが多い)
ゴマダラカミキリは、首元に2つの白い紋がない(ゴマダラカミキリにはこれがあることが多いが、薄くなっている場合もある)


といった点です。(p.4)