丸型源五郎

大島健夫*1「マルガタゲンゴロウ」『生物多様性ちばニュースレター』78、p.4、2023


「最大で体長15mmほどになり、黒褐色の点がちりばめられた漆工芸品のような美しい鞘翅を持つ中型のゲンゴロウであるマルガタゲンゴロウ*2は、令和5年1月より、トウキョウサンショウウオ*3と同じく、種の保存法に基づく特定第二種国内希少野生動植物種に指定されました」。


もともと、日本全国の浅いため池や水田に普通に生息する昆虫であったはずのマルガタゲンゴロウは、まさしく人間が手を加えることで成立している二次的自然に暮らす種であると言えるでしょう。しかし、現在では、その姿を見かけることはめっきり少なくなりました。その減少には、圃場整備による乾田化やため池の埋め立て、耕作放棄による水田そのものの消失、さらに農薬による水質汚染アメリカザリガニのような外来種による影響といった複合的な要因が介在しています。

ゲンゴロウの仲間は、日本に130種、千葉県でも30種以上が記録されています。そのうち、いわゆるゲンゴロウ*4はすでに県内から絶滅し、シャープゲンゴロウモドキ*5は「千葉県シャープゲンゴロウモドキ回復計画」*6のもとに保全事業が行われています。(後略)