燃える花

paperwalker「彼岸花幻想」https://paperwalker.hatenablog.com/entry/2023/10/02/170000


曰く、


それにしても彼岸花とはすごい名前だ。

いや、もちろんそれは秋の彼岸の頃に咲く花という意味なのだろうけれど、この世ならぬ彼岸に咲く花とも受け取れる。そう言われてもなんとなく納得してしまうような雰囲気が、あの花にはある。

一説には、この花の球根を食べると(最悪の場合)死んでしまう、つまり彼岸に行ってしまうことから付いた名前とも言われるが、これはどうも後付けのような気がする。

また彼岸花には「曼珠沙華」という別名もあるが、これはもともと梵語サンスクリット語)を音写したもので、仏典に見られる「天上の花」の一つらしい。やはり彼岸に咲く花か。そう言われると、なんとなく有難く高貴な花のような気もしてくる。この花がお寺や墓地でよく見られるのも(自生しているものもあるのだろうが)そういう理由で意図的に植えられているのかもしれない。

この他にも彼岸花には多くの別名があるのだが、不吉で不穏な名前が多い。曰く、葬式花、墓花、死人(しびと)花、地獄花、幽霊花、火事花などである。(Wikipedia参照)

やはり《死》と結びつくイメージが強い。そういう花なのだ。

木下利玄の

曼珠沙華一むら燃えて秋陽つよしそこ過ぎてゐるしづかなる径*1
枯れた彼岸花というのはそれほど美しいものではない。しかし、枯れて黒ずんだ彼岸花を見ると、何故か手持ち花火の燃え滓を想起することがある。

彼岸が過ぎて、さらに中秋も過ぎて、最低気温が20℃を割った。