Unicode時代の

7月14日のEテレ『ドキュランドへようこそ』はFeng Tiebing「秘密の文字 -中国 女書(にょしょ)の文化を伝えて-」*1。4月には既にBSでオンエアされている。また、オリジナルは劇場映画であり、上映時間はもっと長い(らしい)。中国湖南省江永県一帯の女性の間で伝承されていた文字「女書」*2について。原題HIdden Lettersのlettersとは勿論文字のことだろうけど、手紙という意味を受け取るのも可であろう。


「女書」は抑々が湘南土話というローカルな言語に結びついたものであり、様々な歴史的・社会的経緯から〈生きた文字〉としては衰退してしまったといえる。その一方で、Unicodeに組み込まれているように、「女書」は江永県とか湖南省とかを、さらには中国(中国語)をも超えた万人に開かれてしまっている。また、このことは、このドキュメントで描かれているように、一方ではもやもやを抱えた女性たちの琴線に触れることができたり、他方では(家父長制に回収するような仕方で)中国共産党が商業的・イデオロギー的に利用することが可能になったりすることの条件でもあると言える。
なお、(オンラインで読める)「女書」についての詳しい解説としては、


遠藤織枝「中国女文字について」http://nushu.world.coocan.jp/jp/aboutnushu.html