使われている

動名詞としての)「パッシング」と違って、(不定形)としての「パス」はあまり馴染みがないと書いた*1。しかし、周司あきら、高井ゆと里『トランスジェンダー入門』*2でも「パス」という用語は使われている;


(前略)トランスの人が移行後の性別として認識されることはしばしば「パスする」と呼ばれます。「パス」とは、望む性別として承認され、難なくその場を通過できる状態を意味します。
とはいえ、ある場所で男性としてパスすることと、恒常的に女性や男性として埋没することは、大きく異なります。場所ごとにパスできる空間を増やしたとしても、オセロの全てのマスを移行後の性別に塗り替えて埋没するまでには、それよりもはるかに長い道のりがあるからです。(pp.72-73)