野分の後

「ワグネル創設者が「正義の行進」宣言 ロシア軍と武力衝突の可能性(毎日)」https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2023/06/24/152129
プーチンプリゴジンはどっちもどっち(怒)」https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2023/06/26/074158
Luke Harding “The Wagner uprising: 24 hours that shook Russia” https://www.theguardian.com/world/2023/jun/25/prigozhins-march-on-moscow-chronology-of-an-attempted-coup
Tara John, Ivana Kottasová and Rob Picheta "Wagner chief to leave Russia for Belarus in deal that ends armed insurrection, Kremlin says" https://edition.cnn.com/2023/06/24/europe/russia-putin-wagner-uprising-saturday-intl/index.html



露西亜の民間虐殺企業「ワグネル」*1の叛乱、日本での呼び方は直ぐに「プリコジンの乱」が定着してしまった。そしたら、突然の手打ち。
これまでもワグネルと露西亜正規軍との確執は伝えられてきた。しかし、プリコジンもプーチン個人への非難は回避してきた。今回は、プーチン自身が直接に非難されるということはなかったが、それでも、プリコジンの声明においては、「非ナチ化」だのNATOによる攻撃の脅威といったウクライナ侵略の〈大義名分〉が全てネタにすぎなかったことが暴露されてしまった。
今回の「行進」によって、露西亜の体制内部に亀裂が走ったことは確かなのだけど*2、その傷の深さは如何程のものなのかはわからない。また、今回の手打ちはベラルーシのルカシェンコ*3の仲介で実現し、プリコジンの身柄もベラルーシで預かるということになった。これまで、ルカシェンコはプーチンの子分と見做されてきたのでは? 今後、その存在感は高まるのだろうか。それから、「ワグネル」にとってウクライナ新興市場にすぎない。企業としての「ワグネル」の主な市場はシリア或いはマリやブルキナファソといったアフリカ諸国だろう。「ワグネル」の露西亜本社は露西亜当局の手に落ち、その兵士は露西亜正規軍に統合されることになったが、海外での事業展開は今後どうなるのだろうか。