澁谷智子『ヤングケアラー』

澁谷智子『ヤングケアラー』を読了したのは先月のこと。


はじめに


第1章 子どもが家族の世話をするということ
第2章 日本のヤングケアラーに関する調査
第3章 調査後の支援体制作り
第4章 ヤングケアラーの体験
第5章 ヤングケアラーへの具体的な支援
終章 ヤングケアラーが話しやすい環境を作っていくために


おわりに
主要参考文献

「家族にケアを要する人がいるために、家事や家族の世話などを行っている、一八歳未満の子ども」(p.i)としての「ヤングケアラー」*1について、英国ウィンチェスター市でのフィールド・ワーク、新潟県南魚沼市、神奈川県藤沢市での調査を踏まえて、論じた本。
さて、「ケアを要する人」ということで、先ず思い浮かべるのは病気や障碍、或いは高齢ということだろう。しかし、異文化や異言語に関わる「ヤングケアラー」も存在する。例えば、ある教師は生徒が「担任の話していることを中国語で訳している場面を見た」ことで、「ヤングケアラー」の存在に気づいたと答えている(p.46)。「ケア」としての通訳。