鮑彤

東京新聞』の記事;


改革派重鎮 鮑彤氏が死去 90歳 趙紫陽元総書記の秘書
2022年11月11日 07時33分


 【北京=石井宏樹】中国共産党の故趙紫陽(ちょうしよう)元総書記*1の秘書で、改革派の重鎮として知られた鮑彤(ほうとう)元党中央委員*2=写真、共同=が九日、病気のため死去した。九十歳だった。鮑氏の家族が明らかにした。一九八九年の天安門事件で、民主化を求めた学生らを武力弾圧したことに反対して服役した。晩年まで当局の監視下に置かれながら、政治改革を訴えた。
 八〇年に改革派の指導者だった趙氏の政治秘書になり、政治や経済の改革を進めた趙氏を支えた。天安門事件で学生による民主化運動に理解を示した趙氏とともに失脚。九二年に党籍を剥奪され、国家機密漏えい罪などで懲役七年の実刑判決を受けた。釈放後も天安門事件の評価見直しなどを訴え、中国の改革派を象徴する存在だった。
 米政府系放送局「ラジオ自由アジア」によると、二〇一九年の香港の運動について交流サイト(SNS)で「香港人は自分たちの歴史をつくっている」と理解を示した。また家族によると、今月五日の九十歳の誕生日では「私たちみんなが未来や今日のために、やるべきことをやることが重要だ」と語っていた。今春から体調を崩して入院していたという。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/213316

共同通信趙紫陽元秘書鮑彤氏が死去」(『毎日新聞』2022年11月11日)から;

鮑氏は80年、首相に就任した趙氏の秘書となり、以来一貫して政策ブレーンを務めた。政治改革に踏み込んだ87年の第13回党大会の政治報告起草に大きな役割を果たし、同大会で中央委員に選出された。
89年の民主化運動で、最高実力者だった故鄧小平氏らの弾圧政策に反対したことで、一切の職務を解任される。党内の分裂を図り機密を漏えいしたとして92年に正式に逮捕され、実刑判決を受けた。
96年に釈放され、98年に政治権利が回復。党が天安門事件での弾圧を正当化する中でも「評価見直しをしない限り、将来も同様のことが起きる」と主張し続けた。近年は思想統制を強める習近平指導部を厳しく批判していた。
See also


Fan Wang “Bao Tong: Champion of Chinese political reform dies at 90” https://www.bbc.com/news/world-asia-china-63581532
Verna Yu “Bao Tong, former top aide of Chinese leader Zhao Ziyang, dies at 90” https://www.theguardian.com/world/2022/nov/09/bao-tong-former-top-aide-of-chinese-leader-zhao-ziyang-dies-at-90