着実に減っている

最終学歴「小卒」が80万人余 10、20代も 学びの確保が課題に」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220618/k10013677071000.html


曰く、


中学校まで通えずに小学校卒業が最終学歴となっている人について、国が初めて調査したところ、全国で80万人余りに上ることが分かりました。
80代以上が多い一方で10代や20代の若者もいて、義務教育を受けられなかった人たちへの学びの確保が課題となっています。

先月公表された国勢調査では、小学校卒業が最終学歴となっている人について国内の人数が初めて調べられ、おととし10月時点で80万4293人いることが分かりました。

年代別にみると、80代以上が全体の9割を占めていて、戦前の教育制度の違いや、戦後の混乱などが背景にあると見られています。


50代では6663人、
40代では6163人、
30代では4221人、
20代では2508人、
15歳以上20歳未満では302人と、
若い世代でも義務教育を受けられていない人がいます。

全体では外国人が占める割合は2.5%ですが、50代以下では50%余りが外国人となっています。

また、従来から調査されている小学校も通えていない未就学者は9万4455人となっています。

義務教育としての新制中学ができたのが1947年なので、現在の80代以上で、「小学校卒業が最終学歴となっている」というのは正常の範囲だといえる*1。上の数字を眺めて思ったのは、義務教育を終えていない人は確実に減っているということだ。平成以降、特に最近20年間における減少は顕著だ。勿論、世代自体のヴォリュームが縮むという少子化の効果はあるのだろうけど、それを差し引いても、減少という傾向は変わらないだろう。「50代以下では50%余りが外国人となって」いるということなのだけど、平成以降の30年間というのは、まさに日本社会が国際化して「外国人」が増えた時代なのだ。にも拘らず、義務教育から漏れた人は減っている。それは何故なのか?

*1:小学校は、1941年に「国民学校」と改称された。See eg. 海老坂武『戦争文化と愛国心』、p.5ff.