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織田道代「似ているけれどちょっと違う……」『あのね』(福音館書店宣伝課)353、2022


絵本『こんとごん てんてん ありなしのまき』について。
「似ているけれどちょっと違う」狐、「こん」と「ごん」の冒険。


こんが扉を開けると「おひさま きらきら かぜ さわさわ」の明るく快適な世界が待ち受けていましたが、ごんの方は「おひさま ぎらぎら かぜ ざわざわ」というちょっと不吉で不穏な世界が現れます。こんとごんの冒険はこうして始まりますが、途中、こんは「たいや いか ほん こま」が飛んでくるのを見つけたり、ごんは「だいや いが ぼん ごま」が飛んでくるのを眺めたりします。二つの世界をさらに進むと、二人の冒険は違う展開を見せて分かれていきます。「からす」と「がらす」、「か」と「が」、「さる」と「ざる」など、それぞれとのさまざまな出会いが待っていて、二人はびっくりするようなスッタモンダに巻き込まれていきます。最初こそ平和そうだったこんの選んだ清音の世界にもなかなかのハプニングがあり、ごんの選んだ怪しげな濁音の世界にも意外に楽しいことがあります。似ているけれどちょっと違うこんとごんが、似ているけれどちょっと違う冒険をしていきます。
まつもとさとみ(文)/すがわらけいこ(絵)『ん ひらがな大へんしん!』*1を思い出した。