羅馬学校

マルクス・アウレリウス『自省録』*1の第1巻(pp.11-23)では、彼が様々な他者から受けた恩恵が語られている。
1-4に曰く、


曾祖父からは、公立学校にかよわずにすんだこと、自宅で良い教師についたこと、このようなことにこそ大いに金を使うべきであることを知ったこと。(p.11)
ここでいう「曾祖父」は、兼利琢也氏の訳注によれば、

母方の曽祖父ルーキウス・カティリウス・セウェールス。一一〇、一二〇年の執政官。(略)アンニウス・ウェールスを継いで市総督を務めた。(p.245)
また、「公立学校」に対しては、「名家の子弟は風儀のよくない学校に通わず、家庭教師に付いた」という訳注がある(ibid.)。
古代羅馬には、近現代国家みたいな公教育、「公立学校」があったんだ! と驚いた。神谷美恵子も「訳者解説」で、「マルクスは生まれつき病弱であったので学校に通う代りに家庭教師について勉学した」とあったり書いている(p.303)。これって、教養ある人にとっては、略自明の事実なのか?