昇平の話など

承前*1

小川たまか*2「伊藤詩織さん名誉毀損裁判 判決で名誉は回復されたのか」https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20211203-00270877


「11月30日、東京地裁。ジャーナリストの伊藤詩織さんが漫画家のはすみとしこさんら3人を名誉毀損などで訴えた民事裁判の判決が言い渡され、はすみさんに88万円、はすみさんのツイートをリツイートした医師と漫画家の男性2人にそれぞれ11万円の支払いが命じられた」ことについて。
はすみとしこのリアクションを巡って、小川さんは「司法の判断よりも、一事業者の「凍結」の判断が意味を持つ時代になってしまっているようにも感じる」と述べている。


 一方、今回の判決について、はすみさんは自身のインスタグラムで「まずは私の巻き添えに遭ってしまったA、B氏にとても申し訳なく思っています。判決に関するコメントは、判決文全てを読んでいないのでできませんが、判決を重く受け止めたいと思います」などと綴っている。

 大澤さんのツイートと比べると、かつて扇動的なツイートを繰り返していたはすみさんが「判決を重く受け止めたいと思います」と綴るのは意外に感じた。はすみさんにとって一番の痛手だったのは、このような訴訟ではなく、4万人以上のフォロワーがいたツイッターアカウントの凍結だったのではないだろうか。


伊藤さんの代理人を務めた山口元一弁護士によれば、RTをした男性2人は加害の意識が皆無であり、1人は自分こそが被害者と主張したという。

「私は、気軽にRTしているからこそ、裁判になった途端に平謝りで、どうにか穏便にと言ってくるのだろうと想像していたのですが、実際の反応は真逆でした。やがて、『クリック1つ、タップ1つでできるRTで、深い意図もなく他人の意見を紹介しただけなのに、なんで裁判に引っ張りだされて損害賠償だなんだと責め立てられるのだ』というのが彼らの気持ちなのだ、と理解するようになりました」(山口元一弁護士)

 男性2人は現在もツイッターを続けており、医師の男性は判決後も判決を批判するツイートのRTを繰り返している。

 記者会見が始まる前、伊藤さん側の広報が報道陣に対して「男性2人は一般人なので(実名などが特定されないよう)配慮してほしい」という趣旨の注意を行っていた。伊藤さん側の配慮と男性側の自省のない行動に深い隔たりを感じる。

大澤昇平の話;

伊藤さんは今年7月に、元東京大学大学院・特任准教授の大澤昇平さんに対する訴訟でも勝訴している。33万円の支払いとツイッター投稿の削除が命じられた大澤さんは、その後もツイッター上で「勝訴しました」「(110万円のうち33万円が認められたことから)7:3で俺が大勝しました」「超優秀だった某保守系弁護士に感謝です」などと投稿し、反省の様子はまったく見られなかった*3。このようなツイートをリツイートしたり、賛同のリプライを送っているアカウントも存在する。

 現在も大澤さんは削除命令の出たツイートを削除していないし、伊藤さんの代理人弁護士によれば、賠償金は支払われていないという。