高橋ユキ「千葉大生が女子中学生を2年間監禁… ムショ仲間が語る「寺内樺風」受刑者の異常性」https://news.yahoo.co.jp/articles/eaa7fa136b8b67a098068105c6b401a912f800e9
2016年に2年間に及ぶ女子中学生誘拐監禁事件が発覚した寺内樺風*1。寺内と刑務所でつるんでいた元囚人(「A氏」)へのインタヴュー記事。寺内の思想的背景(?)を知るのは初めて。
言語に長けた寺内受刑者は「一番すごいと思う人は麻原彰晃」と豪語し、オウム真理教関連や、心理学、洗脳関係の書籍を愛読していたという。女子生徒の誘拐や監禁について、彼はA氏にこう語ってもいたという。「誘拐したのは彼女が中学生の頃でしたけど、彼女を初めて知ったのは小学校3年生の頃です。声をかけるまでに、その子がどんな性格か、どんな行動をしているか、家族関係に至るまで全て調べたそうです」
寺内が危険な奴で、その危険性は刑務所生活においては(よっては)軽減されないなと思った。ただ、次の瞬間、危険なことは危険なのだけど、そう特異な奴でもないな、と思った。例えば、「恋愛工学」*2な人って、「やりたかったのは恋愛じゃない」、ナンパとか「自分が学んだことを実践したかっただけ」なわけでしょ。勿論、「恋愛工学」な人たちは寺内みたいに、ターゲットを何年もかけて調べ尽くし、さらない何年も「監禁」するという仕方でコミットし続けるということもしないだろう。また、「恋愛工学」の方はホモソーシャルなコミュニティにおける承認という問題が絡んでいるのに対して、寺内の場合は〈自己満足〉しかあり得なかった。
「彼女に対して、悪いことしたって思ってる?」すると寺内受刑者はどこか遠くをみながら、こう言ったという。
「思ってます。2年間、僕の元にいたことで、ちゃんとした教育を彼女に受けさせることができなかった。そこが彼女にとっていちばんのマイナス。そこは私が、彼女に申し訳ないことをしたと思うとこですね」
もっとも、見知らぬ女子生徒に、一生消すことのできない恐怖を刻みつけたことについては思い至っていないようだった。その感覚にA氏は驚いたという。
「宗教関係の本に夢中で、マインドコントロールにも関心があった。それを実践してみたかったみたいです。ある意味、あの犯罪が、彼にとっては実験だったのかなって。捕まることはもちろんわかっていたようですし。『いつか崩壊することは最初からわかってます。それが代償ですから』なんて言っていましたから。
彼がやりたかったのは恋愛じゃない。洗脳とか自分が学んだことを実践したかっただけ。車の免許をとったから車を運転したいのと一緒です。そういう感覚で人を見てるんだと思います」
*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160328/1459132113 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160329/1459217548 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160330/1459303690 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160331/1459388896 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160415/1460657596 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20161104/1478225290 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170727/1501128145 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170830/1504112434 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180312/1520863098 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180624/1529856480 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/24/013659
*2:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180514/1526314731 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180517/1526522149