「受け子」「出し子」物語

ZDH「特殊詐欺(受け子、出し子)を始めようとしているあなたへ。」https://note.com/zdh/n/naa02eedf3518


これは今年3月にアップロードされた記事。
「特殊詐欺*1の受け子、出し子」になった経緯、初めての仕事、そして自らの逮捕について記述している。
著者のプロフィールに曰く、


特殊詐欺の受け子、出し子として働き、逮捕·多数起訴され、2020年3月6日現在保釈中の身。3月末には判決を受け、実刑確定·再び収監される予定です。 少しでも私のような「同情の余地のない加害者であり、被害者」を減らしたいと考え記事を書きました。 犯罪者のクセに偉そうな点、ご容赦を。
ということは、この方は既に塀の中の住人ということだろうか。
前々から「特殊詐欺」をする人というのは如何にして仕事を見つけるのだろうかと疑問だったのだけど、(この人にとっては)これはけっこう簡単なのだった;

Twitterで、#高額報酬 など、稼ぐネタがありそうなタグ検索をする日々が続いた。気になる投稿があった。

「受け・出し、報酬10%、簡単な仕事です。DMください」
受け?出し?よく分からないが連絡をとってみる。

すると、すぐにレスポンスがあった。

「詳しくはテレグラムというアプリでやりとりします。ダウンロードして、IDを教えてください。」と言われ、何も考えずアプリをインストールし、IDを伝える。今度はテレグラムに素早く返事が来た。

Twitterの者です。本人確認のため、身分証の写真と、その身分証を手にと持って、ご自身の顔と一緒に自撮りして送ってください。ちなみにはじめてですよね?」

もちろん。「はい、受け・出しって何ですか?」

「ブラックな仕事なのは承知されていますか?受けというのは、我々が指定した家を訪問いただき、カードや現金を受け取る仕事です。また、出しというのは、受け取ったカードで、近くのATMからお金をおろす仕事です。」

ドキッとした。

すかさず、「我々のチームでは、今まで捕まった人はいませんし、主婦も隙間時間にやっていますよ。100万円おろしたら、あなたは10万円もらうことができます。1日あたり200万円から300万円を平均でおろしますから、1日30万円です。いかがですか?」

1日30万円・・・主婦もやっている・・・何より「捕まったことはない」・・・。

「頭のネジが飛んでいる」私は、すぐに「やらせてください」だ。
運転免許証、それに免許証と自分の顔を撮ったもの、2点を送り、しばらく待った。すると具体的な仕事の話になった。

ZDHさんは逮捕される前に携帯電話を警察に押収されている。警察や検察はZDHさんと組織上層部とのネットや電話でのやり取りを全て把握している筈であり、そうでなければZDHさんの有罪の証拠も得られなかっただろう。それにも拘らず、上層部、例えばZDHさんに「指示」を飛ばしていた人物などが摘発されたということはないようだ。「特殊詐欺」というと、ぱくられるのは何故ZDHさんのような末端ばかりなのかと不思議に思っていたのだが、考えてみれば、警察が把握した時点で、(発端となった)Twitterアカウントも削除されていただろうし、連絡用の電話番号も捨てられていただろう。上層部を一網打尽にするには潜入捜査くらいしか手がないのだろうか。ところで、警察を装った「特殊詐欺」勧誘というのもあり得る(或いは既に存在しているのかも知れない)。詐欺組織潜入の工作員募集と銘打って、普通に「特殊詐欺」をやらせるとか。