犬と牛

朝日新聞』の記事;


国内初 イヌガエルの繁殖に成功 鳥羽水族館
安田琢典

2020年10月17日 9時00分



 鳥羽水族館三重県鳥羽市)は16日、国内で初めてイヌガエルの繁殖に成功したと発表した。孵化(ふか)したオタマジャクシのうち約40匹が子ガエルに成長し、うち10匹を一般公開している。

 鳥羽水族館によると、体長8センチほどのイヌガエルは中国南部から台湾、ベトナム中部の里山やため池などに分布している。アカガエル科に属し、犬のような鳴き声をしていることから、その名前がつけられた。

 鳥羽水族館は2013年8月から、イヌガエルを飼育している。繁殖に成功したのは、昨年6月に三谷伸也飼育研究部長が台湾で調査した際に譲渡された野生の個体という。

 甲高い鳴き声から、「バウ、バウ」と低い鳴き声に変わり、7月18日に産卵が確認された。鳥羽水族館はこれまでに十数例の外来両生類の繁殖に成功しているが、三谷部長は「イヌガエルは何とか繁殖させたかった種類。親の状態がよかったのだろう」と話す。(安田琢典)
https://www.asahi.com/articles/ASNBJ6TGRNBJONFB00W.html

See also


鳥羽水族館*1「日本初!イヌガエルの繁殖に成功!」https://www.aquarium.co.jp/topics/index.php?id=834
「イヌガエル」https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2020/10/17/163221


そういえば、牛蛙*2も牛みたいな鳴き声だから牛蛙。牛蛙は米国原産だけど、英語ではamerican bullfrog、中国語では美国牛蛙*3
ふつう、動植物の種名を鍵言葉にしてネット検索をすると、上位にはWikipediaを初めとした、種についての一般的な情報が上がってくるのだけど、「イヌガエル」の場合、上位は、全て「繁殖に成功」のニュースで占められている。一般的な情報としては、鳥羽水族館の「へんな生きもの研究所」くらいだろうか*4。この「へんな生きもの研究所」によると、「イヌガエル」というのはあくまでも「仮称」であって、正式な和名ではない。また、「イヌガエル」というWikipediaの日本語の項目は作られていない。、「イヌガエル」についての一般的な情報を得るためには、Hylarana guentherという学名を鍵言葉とする方がいい。そうすると、Wikipedia(英語)の”Hylarana guenther”という項が出てくる*5。羅典語においては「イヌ」は全く関係ない。英語でもGünther's Amoy frog。Amoyというのは中国福建省厦門*6。Güntherは片仮名ではギュンターだろうか、とにかく独逸人の人名。発見者? 主な生息地が台湾や華南だということで、中国語では何というのかと思ったら、「沼蛙」*7。或いは、学名や英語名を直訳して、「貢徳氏赤蛙」。ちょっと脱力した。鳴き声が犬に似ているので、イヌ(狗)と間違われることがある。しかし、だからといって、狗蛙という俗称があるとは書いていない。
結局、イヌガエルという和名はウシガエルからの横滑り?