造謡@江蘇&福建

李克誠、沈宮軒「江蘇三起手機網絡造謡者被拘」『東方早報』2007年8月22日
「騙点撃率、網站造謡“63人失踪”」『東方早報』2007年8月22日


江蘇省では最近ケータイのサイトを使った「造謡」(デマをつくりだす)事件が3件発生したが、何れも容疑者は公安当局に逮捕されている。
先ずは「牙簽伝染艾滋病」。これは「艾滋病群体」(エイズ患者集団)が各地のレストランで「牙簽」(爪楊枝)で歯を擦って出血させた後で楊子入れに戻し、エイズを伝染させようとしているというもの。また、「“准清華大学生”被交警追〓*1致死」。父子2人がバイクの二人乗りをしていて、交通警察に追いかけられて、息子が死んだが、息子は清華大学に合格していたというもの。これをサイトに投稿した者は「老実和尚」と名乗っていた。さらに、「蘇州某学校将発生槍撃案」。蘇州の或る中学で銃撃事件が起こりそうだというもの。容疑者はこの学校の元英語教師だった。
記事によると、江蘇省では今年に入って既に64件の「造謡」事件が発覚しており、60名の容疑者が「治安処罰或訓戒教育」を受けている。
福建省厦門で颱風の襲来のために某ネット会社の従業員63名が行方不明という書き込みが8月19日から中国の幾つかの大手掲示板に登場した。これは「得得網」というサイトからの転載だった。また、書き込みの信憑性を増すために、従業員の集団写真や災害救助現場の写真も添えられていた。実際、厦門一帯では颱風による死傷者は出ていなかった。公安当局の調べによると、これは「得得網」を運営する「得得網網科技有限公司」による捏造だった。同公司は今年2月から自社サイトのアクセス率をアップするために、国内の有名サイトに自社サイトの記事を転載していた。8月21日に容疑者は自首したという。

広東省湛江では今月颱風によって地震が引き起こされるというデマがケータイを通じて流された*2。また、今年最も社会的な影響が大きかったデマは海南島産のバナナの価格を一気に下落させてしまったバナナにSARSウィルスに似たウィルスが発見されたというデマだろう*3

*1:gan3. 走+干(簡体字)、走+旱(繁体字)。GB2447. 追ganで追いかけるの意。

*2:Cf. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070814/1187062215

*3:Cf. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070605/1181044271