或る生物の授業

7月25日に放映されたETV特集の『心が躍る生物教室』*1について、忘れないうちにメモしておく。
筑波大学附属視覚特別支援学校(筑波大学附属盲学校)*2中学部1年の「生物」の授業を1年間追ったドキュメンタリー。その内容について、筑波大学附属学校教育局「ETV特集「心が躍る生物教室」のご紹介」*3から引用してみる;


NHKのETV特集で、本校中学部1年理科の授業やホームルームを中心に視覚特別支援学校の様子などが放送されます。コロナ禍のため、教育相談等で授業の様子を自由にご案内できない状況にありますが、この番組を通して、生徒たちの活き活きとした学校生活の様子をご覧いただけましたら幸いに存じます。


 NHK ETV特集「心が躍る生物教室」
・・7月25日(土)23:00~23:59
・・7月30日(木)0:00~0:59(水曜深夜 再放送)
  NHKプラス(無料、要登録、放送後1週間のネット配信)あり


 中1理科(生物範囲)の授業では、1年間をかけて、植物の葉や動物の骨格標本を用いて五感を活用した観察をし、気づいたことを言葉にする指導をしていきます。自分で発見できた喜びとともに、情報を他者に伝え共有するための言葉は、事物をじっくり観察し、対話によって言語化することを繰り返しているうちに次第に洗練され、他の人にも通じる表現となっていきます。このような、よくみて(観て)、よく考えて、よく表現する授業は、理科だけでなく、本校の教科教育でとても大切にしていることで、アクティブラーニングの原点といえます。

さらに、新型コロナウィルス禍による休校とオンライン授業、そして対面授業の再開を含む。
「中1理科(生物範囲)の授業では、1年間をかけて、植物の葉や動物の骨格標本を用いて五感を活用した観察をし、気づいたことを言葉にする指導をしていきます」。視ていて、新型コロナウィルスを契機にオンラインへ、オンラインへと、草木も靡く中、結果として、感覚の中でも(そもそも特権的であった)視覚と聴覚の特権化がさらに進み、ほかの感覚、嗅覚や触覚や味覚などの周縁化が進んでいるんじゃないかと思った。コロナにおける嗅覚や味覚の重要性が一時的に注目されたにせよ*4
触覚などを言葉にしていくということ。これはまさに比喩(trope)が生まれる現場。比喩というのは、有限(な音や文字)によって無限(現実)を表現しなければならない、未知は既知を土台としなければ認識できないという言語や認識の本質から必然的に導かれる所作である。また、触覚や嗅覚のような極私的な感覚を他者と共有可能にするためには比喩を必ず通過しなければならないということも実感した。