Edith Stein

8月9日付の山本芳久氏*1のツィート;


エディット・シュタイン*2の名前を知ったのは、須賀敦子さんの『ヴェネツィアの宿』*3を読んだときだっと思う。所謂カトリック左派の文脈で言及されていた。彼女に関心は抱いたのだけど、私の怠惰と低語学力のためにそれは長くは続かなかった。今回、山本氏のツィートに触発されて、Stanford Encyclopedia of PhilosophyのThomas Szanto and Dermot Moran “Edith Stein”*4を読んで、彼女が自己論から国家論に至るまで、現在でもそのレリヴァンスは変わらない主題を思考しぬいた哲学者だったことを再認識した。
なお、須賀さんはエディット・シュタインについて、以下のように書いていたのだった(『本に読まれて』);

あっさりしたつきあいとはいっても、ヴェイユは、五〇年代の初頭に大学院で勉強していた私たち何人かの女子学生の仲間にとって、エディット・シュタインとならんで、灯台のような存在だった。シュタインは、ドイツ生まれのユダヤ人で、フッサールの弟子として研究生活をつづけたのち、カルメル会の修道女になったが、一九四二年の夏、アウシュヴィッツで惨殺された人である。女性であること、知識人であること、しかも、信仰の問題に深くかかわり、結婚よりも自立をえらんだことが、世間しらずでむこうみずな私たちにとっては、きらきらと輝く生き方に見えた。(戦時中の体験で、こりごりのはずの)工場で働くということまで、やや真剣に考えて話しあったりした。(p.102)
ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

本に読まれて (中公文庫)

本に読まれて (中公文庫)

See also


History of Women Philosophers and Scientists “Edith Stein” https://historyofwomenphilosophers.org/projects/project/edith-stein/
パウロ女子修道会「8月9日 聖テレサ・ベネディクタ (十字架の)おとめ殉教者(エディット・シュタイン)」https://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint365.php?id=080902