- 作者: 栃木孝惟,益田宗,日下力,久保田淳
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1992/07/30
- メディア: 単行本
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一昨日、近所の図書館で岩波の「新日本古典文学大系」の『保元物語・平治物語・承久記』に何故か目を通していた。
『保元物語』の最初の方で、鳥羽院が熊野詣に出かけて、その途中で、何処の馬の骨とも知らぬ巫女に来年死ぬと言われて、実際にその翌年死んでしまう。法皇(元天皇)の霊的な権威が無名の巫女に負けてしまうというこの事態は、藤田省三*1が言っていたように、『保元物語』の後半、つまり新院(後の崇徳院)の謀叛としての保元の乱、さらに『保元物語』の彼方にある平治の乱、平家の盛衰、鎌倉幕府創設と源氏の盛衰といった怒涛の変動の予兆となっているわけだ(『精神史的考察』)。それを、センティメンタルでありつつクールに語ってしまう文体は凄い。
- 作者: 藤田省三
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1982/04
- メディア: 単行本
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- 作者: 芳賀日出男
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2009/11/01
- メディア: 大型本
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