土曜日、 北京東路のMagda Danysz Gallery*1で劉勃麟*2の個展『黒客藝術(Hacker Art)』*3を観た。彼のトレード・マークといえる「城市迷彩(Hiding in the City)」シリーズのほかに、スマートフォンの基盤で象られた人間の頭部像など。緑色の立体作品は何処かの古墳からの盗掘品! というイメージを一瞬与える。「城市迷彩」は劉勃麟本人(図)が背景(地)に同化してしまう絵画/パフォーマンス/写真作品*4。劉勃麟のアートが社会批判やプロテストとしての意味を有するということは言うまでもないが、同時に、私たちの視覚体験の構造、〈地−図〉の関係*5を問う試みであるとも言えるだろう。また、〈地〉への同化ということで、イタロ・カルヴィーノの『不在の騎士』に登場する従者のグルドゥルーを思い出してしまったのだった*6。
- 作者: イタロ・カルヴィーノ,米川良夫
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/12/03
- メディア: 文庫
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*1:http://www.magdagallery.com/
*2:http://www.liubolinart.com/ http://weibo.com/u/1895519817 See eg. http://baike.baidu.com/item/%E5%88%98%E5%8B%83%E9%BA%9F
*3:See eg. Erica Martin “Tech Erasure: Liu Bolin's Latest Disappearing Art” that's Shanghai May 2017, pp.40-41
*4:See eg. 劉勃麟「隠形人」https://www.ted.com/talks/liu_bolin_the_invisible_man?language=zh-cn 「隠形人――劉勃麟」http://blog.sina.com.cn/s/blog_532bd99f0102ebn9.html
*5:See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060407/1144431782 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091224/1261620586 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100905/1283664652 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130905/1378386198 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170416/1492356802