たしかに数学の時間以外には使わない

紙谷高雪*1「偶数と偶数の和は偶数であることの説明」http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20140531/1401463750


2014年のエントリーだけれど。
或る中学生がわからなかったという数学の問題;

正さんは「偶数と偶数の和は偶数である」ことを説明しようとして、次のように説明した。

・mは整数である。

・ゆえに2mは偶数である。

・2m+2m=4m=2(2m)

・よって偶数と偶数の和は偶数である。

この説明に対して、進さんは「偶数と偶数の和は偶数である」として「2m+2mを用いるのは間違いだ」とした。進さんの説明が正しいのか、間違っているのかを説明しなさい。

要するに、「2m+2m=4m=2(2m)」じゃ同じ偶数を足した場合に限定されてしまうので、全ての任意の偶数に拡張するためには、2m+2n=2(m+n)にしなければいけないよというわけだ*2。それでも、その中学生はわからなかったという。まあ、この話にはとんでもないオチがあったわけだ;


「偶数と偶数の和は偶数である・リベンジ」http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20140609/1402326144


この中学生は「和」という用語の意味が分かっていないかった。「割り算の答え」だと思っていた。たしかに、〈和差積商〉というのは〈士農工商〉よりも馴染みが薄いといえるだろう。数学(算数)の時間以外には使わない。まあ、差というのは日常用語としてもよく使い、その意味も引き算の結果ということに近いのだけど、それ以外の和、積、商というのは日常的には殆ど使わないんじゃないか。和については、英語のsumの訳語として、例えばzero-sum*3を零和と訳すこともある。或いは、総和という言葉とか*4。これらも日常的な言葉とは言えない。