Simon dead

毎日新聞』の記事;


<訃報>三浦朱門さん91歳=作家、元文化庁長官

毎日新聞 2/4(土) 21:00配信



 「第三の新人」の一人として社会や家庭を鋭く観察する小説を書き、文化庁長官を務めるなど文教行政に尽力した作家、三浦朱門(みうら・しゅもん)さんが3日、死去した。91歳。妻は作家の曽野綾子さん。

 東京都生まれ。朱門は本名。東京大文学部卒業と同時に日本大芸術学部で教職に。旧制高知高校の友人、阪田寛夫らと1950年に第15次「新思潮」同人となり、51年に「冥府(めいふ)山水図」でデビュー。芥川龍之介を思わせる知的な作風で頭角を現し、安岡章太郎吉行淳之介遠藤周作らとともに「第三の新人」と呼ばれた。

 戦後の家庭のもろさを冷笑的にとらえた「箱庭」で67年新潮社文学賞、東京・武蔵野の風土に根差す人々を描いて文明批評の面も評価された「武蔵野インディアン」で83年芸術選奨文部大臣賞。大学紛争の中、69年に日大教授を退職した。「結婚なんかおやめなさい」「老人よ、花と散れ」「日本人をダメにした教育」など家庭や教育問題の著作も多数。

 温厚でバランス感覚にも優れ、多くの公職に就いた。85〜86年は文化庁長官を務め、国体の文化版として国民文化祭を発案。88〜94年日本文芸家協会理事長。96年に教育課程審議会会長に就任し「ゆとり教育」の道筋をつけた。87年日本芸術院会員、99年文化功労者。2004〜14年は日本芸術院院長。

 いずれもカトリック信徒の曽野さんとは“おしどり作家”として知られた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170204-00000086-mai-soci

「 温厚でバランス感覚にも優れ」た人が「女性を強姦する体力がないのは、男として恥ずべきことである」というのだろうかというのはともかくとして、三浦朱門*1についてはあまり知らないのだった。曽野綾子の亭主として、またカトリックの作家として遠藤周作のおまけみたいについてくる名前として、勿論名前は知っていた。同様に「第三の新人」と一括された安岡章太郎が昇天した際、「吉行淳之介も亡くなり、カトリックの洗礼を受けた時の代父であった遠藤周作も既におらず、「第三の新人」で生き残っているのは阿川弘之のみ?」と書いたのだった*2。あからさまな三浦外し! 左翼的偏向と言う勿れ、阿川弘之が筋金入りの右翼だったことは日本文学に少しでも関心がある人にとっては常識に属することだからだ。これは偏に私の無教養によるもの。三浦的世界といえば、「ゆとり教育」を巡っての要するに従順な馬鹿が必要だというようなアレな発言を斎藤貴男『機会不平等』からの孫引き的に知っているのみ。三浦の名前は私の意識の背後に殆ど退いていたのだが、昨年秋に古寺多見氏の「夫の三浦朱門認知症になった曽野綾子は、丹羽文雄の前例を知らなかったのか」というエントリーを読んで、彼が「認知症」に罹っていることを知ったのだった*3。それから半年も経たぬうちに昇天。
機会不平等 (文春文庫)

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