土居建郎

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20090706にて知る。
『毎日』の記事;


<訃報>土居健郎さん89歳=精神分析医、「甘え」の構造

7月6日2時30分配信 毎日新聞
 「甘え」概念の提唱で広く影響を与えた精神分析医の土居健郎(どい・たけお)さんが、5日午後3時27分、老衰のため亡くなった。89歳だった。葬儀は身内だけで行い、お別れの会を後日開く予定。喪主は長男望(のぞむ)さん。

 東京大医学部卒。聖路加国際病院勤務後、50年に米国メニンガー精神医学校へ留学し、日米の人々の行動、心理の違いに着目する。帰国後は東京大教授、国際基督教大教授、国立精神衛生研究所長を歴任。71年に発表した「『甘え』の構造」は120万部を超えるベストセラーとなった。

 日本語特有の言葉である「甘え」をカギ概念に、日本人の精神構造を分析。「甘え」は社会学文化人類学にも影響を与え、幼児期の母子構造を考えるうえで国際的な学術語になった。

 他の著書に「精神分析と精神病理」「精神療法と精神分析」など。

 ◇日本の知に貢献

 ▽精神科医で武蔵野大教授・小西聖子(たかこ)さんの話 「甘え」という日本独特の概念を、精神分析的な手法で解析したユニークな研究で、精神分析学が一般の人たちに広く知られるきっかけを作った。人文科学や社会科学など、日本の教養、知全体に大きな功績を残した方でした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090706-00000004-mai-soci

小谷野敦氏は、

だいたい土居はカトリックの信者で、おそらく「甘え」は、遠藤周作の『沈黙』から思いついたのだろう。あれはすごく神に甘えた小説で、『ヨブ記』なんか読んでいると、遠藤が本当にキリスト教徒なのか疑わしくなる。その点、曽野綾子のほうが遥かにキリスト教徒的に冷徹だ。あれは遠藤の留学中のトラウマの表現で、俺はフランスやカトリックに憧れてフランスにやってきたのに、なぜフランス人はこんなに冷たいんだ、という、そういう話だろう。それで江藤淳も、米国で似たような思いをしたから、怨念からあんな風になって、遠藤と仲が良かった。遠藤が死ぬ直前、文藝家協会の理事長を引き受けてくれないかと江藤に電話したという。そして遠藤は晩年にはオカルトになってしまった。
と書いている。これは興味深い話だけれど、土居健郎遠藤周作って付き合いはあったのかどうか。ところで、(同じICUの関係なのか)大塚久雄と共著本を出していたとは思う。
まだ初七日も明けていないことだし*1、眠いこともあり、批判的な話は(気が向けば)後日。

*1:土居氏はクリスチャンなので関係ないか。