谷崎、姫野、川上

承前*1

中日新聞』の記事;


2016年8月29日
読んでハラハラ聞いて高揚 飛騨市図書館で初の官能小説朗読会



 飛騨市図書館は27日夜、大人のための「官能小説朗読ライブ」を館内で初めて開いた。司書の女性3人が妖艶な声音で、エロチックな官能小説を1編ずつ読み上げた。

 想像力を刺激して、本の世界や図書館に興味を持ってもらおうと、司書らが一肌脱ぐことを決心し、市教委も応援。浴衣姿の3人が約30分ずつ朗読した。

 作品は同館の所蔵書から選び、堀夏美さん(26)は姫野カオルコさんの「正調・H物語」、村田萌さん(29)は川上弘美さんの「可哀相」を取り上げた。最後は西倉幸子館長(34)が谷崎潤一郎の「刺青」で締めくくった。館内にはあえぎ声やため息、妖しげな言葉が響き渡り、市内外の70人が真剣に聞き入った。

 堀さんは「緊張したけど無心になって読みました。(エロチックな文章を読む)ハラハラ感が楽しかった」と明かした。同市神岡町の会社員、野島涼平さん(25)は「図書館で普段とは違った高揚感を味わえたので新鮮だった。また来たい」と話していた。

 (浜崎陽介)
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20160829/CK2016082902000027.html

また、『ねとらぼ』の記事;

2016年08月30日 20時23分 更新
飛騨市始まりすぎてる」とネット騒然 飛騨市図書館の「官能小説朗読ライブ」担当者に開催の意図を聞いた
意外にも反対する声はほとんどなかったそう。
[Key,ねとらぼ]


岐阜県飛騨市にある飛騨市図書館*2で8月27日、3人の図書館司書が官能小説を朗読するイベント「官能小説朗読ライブ」が行われました。Twitterやネットなどでも「何これ面白そう」「飛騨市始まりすぎてる」などと話題になった同イベント、なぜ開催しようと思ったのか、実際に官能小説を朗読した担当者にお話を聞きました。

 イベントでは、館長の西倉幸子さんが「刺青」(谷崎潤一郎)を、図書館司書の堀夏美さんが「短篇集H」(姫野カオルコ)から「正調・H物語」、同じく司書の村田萌さんが「溺レる」(川上弘美著)から「可哀相」をそれぞれ朗読。当日はおよそ70人が集まり、中には愛知や三重など遠いところから来た人や、さらには飛騨市長の姿もあったそうです。

同館では定期的にこうした朗読イベントを行っていますが、なぜよりによって「官能小説朗読ライブ」を行おうと思ったのか。実際に本を読んだ堀さんに聞いたところ、「官能小説というキャッチーな題材を扱うことで、多くの人が図書館に足を運んでくれると思いました」とのこと。また、反対意見はなかったか聞くと、事前に飛騨市教育委員会に確認をとったところ「ぜひやってみて」と、意外にも開催に対しては前向きだったそうです。公に告知をしてから、ネットで話題になったことで多少の批判もありましたが、図書館に直接の問い合わせはなどはなく、「思っていたよりも反対する声は少なかった」と堀さん。当日の雰囲気も非常に静かで、参加した人たちは皆真剣に朗読を聞いてくれていたそうです。

 飛騨市図書館は官能小説を1つの文学と捉えているとのこと。開催後、Twitterでは「文化的なよいイベントだったな」「面白い朗読会ありがとうございました」など、実際に参加したと思われる感想ツイートもちらほらと投稿されていました。

(Key)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1608/30/news141.html

谷崎潤一郎*3の「刺青」、 姫野カオルコの「正調・H物語」、川上弘美*4の「可哀想」。「官能小説」ということで、もっと別の作家を予想=期待(expect)した人も少なくなかったのでは? 現役の作家2人と物故した大御所1人。現役の作家は何れも女性である。現役の男性の官能的な作家はいないということ?
刺青・秘密 (新潮文庫)

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