小田慶子「『スター・ウォーズ』新ヒロインはなぜ男の手を振り払ったのか? フェミニズムの観点から見る最新作」http://wotopi.jp/archives/34004
『フォースの覚醒』*1以降の『スター・ウォーズ』の支配権を握っているのはプロデューサーのキャスリーン・ケネディなのだという;
エピソード7では監督を務めるJ.J.エイブラムスばかりが注目されていましたが、そのエイブラムスを監督に雇ったのは、他ならぬキャスリーン。そして、次のエピソード8では『LOOPER/ルーパー』のライアン・ジョンソン、エピソード9では『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレヴォロウに監督が代わることが発表されました。つまり、この新3部作はエイブラムスでも、このシリーズを生み出したジョージ・ルーカスのものでもない、キャスリーン・ケネディのものなのです。公開前、最初のプロモーションとして彼女とデイジー・リドリーが2人で来日したときから、それははっきり示されていました。その背景として、2012年、ルーカスフィルムがディズニーに買収されるのと同時に、キャスリーンがその社長に就任し、同社に眠る金脈を掘り起こすように新3部作の製作が決定したことなどを考えても、彼女が最も強い権限を握っていることは明らかです。
「女はジェダイになれない」というのは物語内事実に反している。先ず『ファントム・メナス』にはYaddleというジュダイ・マスターが登場する。彼女はヨーダと同じ種族の人*2。また、Yaddleの死後ジュダイ評議会員に推挙されるShaak Ti*3。『クローンの攻撃』と『シスの復讐』に出てくる。彼女はアナキン・スカイウォーカー=ダース・ヴェイダーによるジュダイ聖堂襲撃=虐殺の犠牲者である。
「スター・ウォーズ」新3部作の第1弾となったこのエピソード7。主人公が、エピソード1〜3のアナキン、エピソード4〜6のルークに替わり、女性のジェダイ、レイ(デイジー・リドリー)になったことは、大きな変化でした。これまでも、ヒロインとしてアミダラ女王やレイア姫は出てきたし、彼女たちは自ら銃を取って戦う強い女性ではあったけれど、あくまで英国のような「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」的価値観の下、男性たちに守られる存在。同時に、主人公にとっては恋愛対象でもありました。ところが、本作のレイは主役にふさわしく強い能力を秘め、これまで(人間体では)男性しか手にしなかったライトセーバーを使って戦います。「女はジェダイになれない」という旧シリーズのジェンダー・バイアス(男女役割意識)をくるっと180度転換した画期的な設定です。
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*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151202/1449074591 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151207/1449456332 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151221/1450709950 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160108/1452219494 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160121/1453388702
*2:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%89%E3%83%AB
*3:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A3