承前*1
『毎日』の記事;
私たちの世代で「キノコ」の関心があった奴はmagic mushroomとかの方へ行っちゃうのが通例だったのだが、そうではなかったのね。そういえば、Joan Acocellaは、アガサ・クリスティが「毒殺」を好んだのは、彼女が第一次世界大戦中に病院の薬局に勤めていて劇薬についての知識があり、何よりも「暴力」が嫌いだったからだと述べていた*2。勿論、この度の殺しは毒殺ではないし、彼女は「毒」とは対極的な男性的(男根的?)な武器である「おの」にも早くから執着していると伝えられている。
女性殺害:女子学生、中学時代に毒キノコ研究毎日新聞 2015年01月29日 15時00分
名古屋市昭和区のアパートで昨年12月、同市千種区の森外茂子(ともこ)さん(77)を殺害したとして、愛知県警が殺人容疑で逮捕した名古屋大学の女子学生(19)は、中学生時代から毒物に強い関心を持っていたことが、当時の同級生への取材で分かった。女子学生は「人を殺してみたかった」「高校時代、同級生に毒を飲ませた」などと話しており、県警は動機解明に向け、生い立ちなども調べる方針。【山本佳孝、永野航太】
同級生によると、女子学生は、東北地方の実家から中学校に通っていた頃、「毒に興味を持っている」と話し、インターネットなどで毒キノコや化学薬品を熱心に調べていた。自宅には複数のビーカーが転がっており、「自分で作った薬品をハムスターにかけた」とも話していたという。
また、ハサミやカッターをポケットに入れて持ち歩いていた。猫の脇腹にハサミを突きつけ、「中身を見てみたい」「しっぽを切りたい」と話したこともあったという。
女子学生は中学の卒業文集に「いままでありがとー! いつかまた会おうゼ! 忘れんなよ」と書いた。自身のことを「おれ」と呼ぶなど個性が強かったというが、優しい一面もあり、友達の悩み事の相談に乗ることもあったという。同級生は「事件はショックだが、『やっぱり』という思いもある」と複雑な心境を明かした。
愛知県警によると、女子学生は昨年12月7日に森さんを殺害したとされる。翌日、室内に遺体を残して実家に帰省し、今月26日に名古屋に戻り、27日に逮捕された。調べに対し「26日夜は遺体を放置したアパートで寝た」と話しているという。
◇タリウム入りか、自宅で容器押収名古屋大の女子学生(19)の自宅アパートから、薬品のような粉末などが入った複数の容器が押収されていたことが、愛知県警の捜査関係者への取材で分かった。女子学生のものとみられるツイッターの投稿などから、毒性の強い「タリウム」の可能性もあるとみて県警が鑑定を進めるほか、入手経路も調べる。
タリウムは毒劇物取締法で18歳未満への販売が制限されている。ツイッターには「硫酸タリウムの半数致死量は1g(成人男性)だろ?」などの投稿があった。【三上剛輝】
http://mainichi.jp/select/news/20150129k0000e040216000c.html
「タリウム」*3ということだと、検索して上位で引っかかるのは、「東大技官タリウム事件」*4。こちらの方は、加害者も被害者も男性ではある。
*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150127/1422371534 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150128/1422414486 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150129/1422500611
*2:Joan Acocella “Queen of Crime: How Agatha Christie created the modern murder mystery” (The New Yorker August 16 & 23, 2010, pp.82-88) Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110210/1297313754
*3:See eg. http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0 http://en.wikipedia.org/wiki/Thallium