使わない人の方が気になる

福田和郎「「チンする」「サボる」造語定着」http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2014_0925.html


曰く、


国語に関する世論調査」は文化庁が平成7年から毎年行っています。
今回は全国の16歳以上の男女3473人を対象に行われ、このうち2028人が回答しました。
調査テーマの一つは造語の定着度合いです。
例えば「電子レンジで加熱する」という意味で「チンする」という言葉を使うかどうか尋ねたところ、90.4%の人が使うことがあると答えました。

また「怠ける」という意味で「サボる」を使う人も86.4%いて、これらの造語は広く定着していることが分かりました。
このほか「喫茶店やカフェに入る」という意味の「お茶する」は66.4%、「事故を起こす、事故にあう」という意味の「事故る」は52.6%の人が使うことがあると答えました。
一方で「けなす、否定する」という意味の「ディスる」は5.5%しか使っておらず、聞いたことがない人も7割を超えました。

ディスる」は10代や20代では3割余りが使うことがあると答えましたが、30代をすぎると使っている人は1割にも満たず、若者の間だけで、ある程度広まっている言葉とみられます。
また「タクシーに乗る」という意味の「タクる」という言葉は戦前から使われていたということですが、使うことがあると答えた人は5.9%にとどまりました。
文化庁は「日本語は造語を生み出しやすく効率的な表現やおもしろみを持たせるために昔から使われている。場面や相手を考えて使って欲しい」と話しています。

それでも10%弱の人が「チンする」を使っていないわけだ。このマイノリティの方が興味深い。年齢はどうなの? ジェンダーは? 地域は? 社会階層は? 支持政党は?
また、「チンする」よりもはるかに歴史があるだろう「サボる」*1の方が使用率が若干低いというのも興味深い。えびぞるなんか今や誰も使わないし、えがわる江川卓本人も忘れているかも知れない。
あとは、「世間ずれ」、「まんじりともせず」、「やぶさかでない」の意味、またコミュニケーションにおいて若者ほど「空気を読む」という話。

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070628/1183000028 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070629/1183080844 既に元々仏蘭西語だったということも忘却され、書くときにはさぼると平仮名書きする人も少なくないのでは? 提案したいのだが、さらに語源に遡って、木靴るというのはどう?