ウルリッヒ・ベック曰く、「18世紀にリスボンで大地震が起き、深刻な被害が出たとき、当時の思想家たちは、どうして善良な神がこんな災害をもたらすのかと考えた」*1。
1755年のリスボン大地震・大津波に対する「当時の思想家たち」の反応について少しメモ。
http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20110316/p1
http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20110507/p1
カントの反応について。また後者では、（カントを介して？）トルストイもリスボン大地震に言及していることが示されている。
崔衛平「一切都好？――伏爾泰與大地震」『思想與郷愁』*2、pp.7-11
ヴォルテールの反応。そして、ルソーの反論。ルソーの反論への応答としての『カンディード』。ヴォルテールの反応及びルソーとの論争で問題になっていたのは「予定調和」*3であった。
http://geophysics-old.tau.ac.il/personal/shmulik/LisbonEq-letters.htmはヴォルテールのリスボン大地震についての詩及び（それを巡っての）ルソーのヴォルテール宛の手紙の英訳。また、http://www.recreatingtampa.com/2010/01/poem-on-the-lisbon-earthquake-by-voltaire/はヴォルテールの詩の別の英訳。
崔衛平「作為”異端”的自然」『思想與郷愁』、pp.12-16
リスボン大地震への応答としてのディドロの『ダランベールの夢』。またカントの反応も（p.15）。
上に挙げた崔衛平のテクストはどちらも、元々四川大地震への反応として2008年６月に書かれている。
リスボン大地震について（英語）；
Jan T. Kozak & Charles D. James“Historical Depictions of the 1755 Lisbon Earthquake” http://nisee.berkeley.edu/lisbon/
George Pararas-Carayannis “The Great Lisbon Earthquake and Tsunami of 1 November 1755” http://www.drgeorgepc.com/Tsunami1755Lisbon.html
Oliver Wendell Holmes “Lisbon Earthquake: First of November, the Earthquake day” http://www.phenomena.org.uk/lisbon.htm
また、Jan T. Kozak氏の地震関係ヴィジュアル資料コレクションはhttp://nisee.berkeley.edu/kozak/
