上海/香港(メモ)

少し前に、四方田犬彦氏の「織田作之助が大阪の作家であるように、稲垣足穂は神戸、生田耕作は京都の文学者であって、これがもし別の都市に生を享けていたならば、彼らは現在われわれが知っているような形では作品を遺さなかったであろう」という文を引用したのだが*1、中国文学でも、老舎が中国の作家である以前に北京の作家であるように、張愛玲は上海の作家であるといえるだろう。
李欧梵「永遠的傾城之恋」(in『看電影』*2に曰く、


《傾城之恋》*3中的那個“城”可以指香港的。而張愛玲作為一個上海作家、所写的香港有好一部分想象出来的、有点像発夢。她有上海人的高傲、不太喜歓香港。対她来説、香港可説是一個酒店、上海是自己的家。那是很清楚的。香港可説是她的“他者”。但是中間的関係非常微妙。如果説那個“城”也是指上海、那就更有趣。(p.111)
傾城の恋

傾城の恋