張愛玲「対照記」*1(『重訪辺城』*2に「炎櫻」という女性の写真がある(pp.210-213、図二十七〜三十)。「炎櫻」は張愛玲の香港大学時代の同級生。日本軍の香港占領によって香港大学が休学となり、張愛玲と一緒に上海に戻る。
「炎櫻」の父親はアラブ系セイロン人。上海に戻り、聖約翰大学*3に編入し、卒業(ibid.)。戦後米国に渡ったらしく、「憶胡適之」*4(『重訪辺城』、p.17ff.)に、紐育で「炎櫻」と一緒に胡適の家を訪ねたことが記されている。
炎櫻姓摩希甸、父親是阿拉伯裔錫蘭人(今斯里蘭卡)、信回教、在上海開摩希甸珠宝店。母親是天津人、為了與青年印僑結婚跟家裏決裂、多年不来住。炎櫻的大姨媽住在南京、我到他們家去過、也就是個典型的守旧的北方人家(p.211)