張愛玲の母語など

張愛玲「“嗄?”?」(in『重訪辺城』*1、pp.156-161)


或る中国人が張愛玲の文章を音読するときには上海訛りのマンダリンで読まなければならないといっていた。
さて、上に掲げたテクストで、彼女は「我的上海話本来是半途出家、不是従小会説的」といい、自分の「母語」は「被北辺話與安徽話的影響衝淡的南京話」であると書いている(p.157)。これは彼女の母方の曽祖父である李鴻章*2太平天国滅亡後の南京に居住したこと(「対照記」、p.195)と関係あるか。なお、彼女の母親は湖南人*3(「表姨細姨其他」、p.132)。
張愛玲の祖父(張佩綸)は夫婦共著で「武侠小説」『紫綃記』をものし、自費出版したこともあるというが、彼女は祖父のことを以下のように書いている;


我祖父出身河北的一個荒村七家〓*4、此村只多四家、但是後来張家也可以算是個大族了。世代耕読、他又是個窮京官、就靠我祖母一份嫁粧。他死過両個太太一個児子、就剰一個次子、已経大了、給他娶的親也是合肥人、大概是希望她跟婆婆合得来。(「対照記」、p.203)