「若者組」ならぬ「若者宿」についてはhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070605/1181012495で言及したけど。
ここで言及されているクドカンのドラマって、『タイガー&ドラゴン』のこと?
「若者組」的なものの行方ってのはたぶんちゃんと考える必要があるんだと思う。僕自身は「若者組」的なメンタリティが世の中からなくなればいいと思っているのだけど。
僕が宇野常寛の思想を嫌いな点の一つは、彼が「旧来のムラ社会」は否定しつつも、「若者組」的メンタリティは温存しようとしているように見えるところで、この「若者組」的メンタリティは宮藤官九郎のドラマにもよく感じる。
「若者組」的、というタグ付けが正確かどうかちょっとわからないけど、宮藤官九郎のドラマに出てくるような、暴力団とか落語家の一門とか、ああいう感じの、「中二病を大人に引き上げてやるためのシステム」というか、「適切に去勢してやるためのシステム」ってのが、どうも僕は好きになれないというか、合理化された現代にあんなもののドリームを見たって御伽噺でしょ、と思う。
「若者組」的な共同体での会話って、例えば年少の構成員の恋愛話を年長の構成員が、半ば弄りながら「善導してやる」みたいなものが多い、と思うのだけど(ソースは宮藤官九郎のドラマ)、個人的には、そういうのって気持ち悪い、と思う。「俺が女を紹介してやるから舎弟になれ」「俺が女との付き合い方を教えてやるから舎弟になれ」的な人間関係って嫌だなあ、と。
http://d.hatena.ne.jp/tenkyoin/20091122#p2
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上のエントリーを書いた人は、「若者組」と「ホモソーシャル」を(些か微妙な仕方で)繋げている。私もちょっと前に、小田切譲監督の『さくらな人たち』にふれて、ホモソーシャルってキモいぜと思ったことはあるが*3、それは「年長者」による「年少者」の「善導」ということではなく、距離の無化というか〈裸の付き合い〉的な一体感を目指していることなのだ*4。それは斜め垂直の「若者組」に限らない。寧ろ水平的な関係の方が一体化幻想に嵌り込む危険は大きいのではないか。
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オリジナルの文脈がちょっと見えにくいので、脱文脈的な思いつきを書き連ねた。
*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070509/1178732245 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090702/1246567126
*2:斜め垂直の関係でもう一つ考えられるのは、父系制社会におけるオジ−オイ関係、母系制社会における父親−息子関係みたいな関係である。「若者組」的或いは先輩−後輩的な関係に息苦しさを感じる人はそういう関係を模索してみては如何?
*3:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091109/1257741894
*4:勿論〈裸の付き合い〉といってもセクシュアリティは回避されており、一体感の追求とセクシュアリティの回避が同時に行われるため、ホモセクシュアルに対する差別・排除はより惨いものとなる。