「傘がない」

某マイミクさんが井上陽水の「傘がない」について書いていた。
さて、浜日出夫氏の「危機としての生活世界――シュッツの”discrepancy”概念――」という論文(『年報社会科学基礎論研究』3、pp.46-62、2004)を読んで以来、これは社会学専攻の者にとって必聴の曲だろうなと思うようになったのだ。曰く、「この歌は、しばしば批評されたように、社会から私生活への撤退を歌ったものではなく、「われわれの世界*1」の秩序から「われわれの世界」の秩序への、社会を見るまなざしの「コペルニクス的転回」を歌っているのである」(p.59)。

年報社会科学基礎論研究 (第3号(2004年度))

年報社会科学基礎論研究 (第3号(2004年度))

また、浜氏の関連するテクストとして、「社会は細部に宿る ミクロ-マクロ問題再考」(in 西原和久編『現象学的社会学の展開』、pp.137-162)をマークしておく。
現象学的社会学の展開―A・シュッツ継承へ向けて

現象学的社会学の展開―A・シュッツ継承へ向けて

1970年代の井上陽水の曲としては、やはり「夢の中へ」か。

*1:原文では傍点。