アイドル(メモ)


?「アイドルがリアルタイムで進む現象であるということ」

も外せない。アニメ・まんがが基本的にはその中で世界が完結していて、逆に言えば現実とのリンクがないものなので、昔の作品に今はまることもできるし、昔の作品と今の作品を比較することも問題なくできるのに対し、アイドルはそうはいかない。昔のアイドルに、今はまるということは、ほとんど不可能に近い。例えば今おニャン子の曲にはまる人がいたとして、それを「アイドルにはまる」という言い方ができるか甚だ疑問である。アイドル現象が、現実の、今と切り離せないものであること、これがアイドルにとって決定的に重要だと思われる。
http://d.hatena.ne.jp/onoya/20080914/1221356494

を取り敢えずメモ。なるほどと思う。また、ここから時間というものを考える。現在の「アイドルヲタ」がどう考えているのかは分からないが、自分と世代的に近いアーティストのファンになるというのは、同じ時代を生きているという感覚、getting older togetherということを見出すことが含まれるのだろうと思っていた。例えば、今年50歳になったケイト・ブッシュ*1は私にとってそういう存在でありえている。というか、自分と一緒に年齢を重ねる(成長する)特定の誰かが存在することによって、〈今〉*2が自分の身近な空間を越えた空間的な厚み*3をもって存在する、私がそのような〈今〉を生きているということが確認できる。多分、20代とかのケイト・ファンは違う感覚を持っているのだろうし、また中高年の女性が〈ヨン様〉にはまるという場合、getting older togetherという感覚はどうなのかと思う。
ところで、昔はアイドルというのは寧ろヤンキー系文化と親和性を持っていたように思う。例えば、親衛隊における厳しいハイアラーキー。それが何時頃から〈オタク文化〉に取り込まれるようになったのかは知らぬ。

*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080731/1217435111

*2:明日になればそれは今日になり、来年になればそれは今年になるという仕方で常に在り続ける〈今〉。

*3:空間的に狭い〈今〉の存立を保証するのは恋愛関係のようなパーソナルな関係であろう。