飛行機問題(別の視点から)

承前*1

http://d.hatena.ne.jp/satomies/20080830/p1#c1220326380
http://d.hatena.ne.jp/satomies/20080902/p1


知的障碍者とその母親が羽田空港にて「シートベルト」云々で強制的に下ろされたという事件を巡って、当事者(母親)の視点からのことの経緯;


天竺堂 2008/09/02 12:33
 梅田さんは、娘さんにシートベルトをさせ、さらに上から押さえておられたそうです。娘さんはベルトを嫌がって声を発したりすることがありますが、これまでのフライトでは、梅田さんが離着陸時に押さえていることで問題はなかったとのこと。
 ところが、某日の搭乗では、男性の客室乗務員が、娘さんを静かにさせるよう言ってきて、梅田さんが従わない(従えない)と見るや、空港警察署から警官を呼び、母娘を降ろさせたそうです。降りる時、梅田さんは乗客と乗務員に「離陸を遅らせ、迷惑をかけてすまなかった」と頭を下げられたそうです。
 梅田さんはたいそう憤っておられ、周りの人々に話しておられ、このことが回り回って誤解を生んでしまったものと思われます。
 私個人の見解としては…悪いのは、客室乗務員と記者。
 客室乗務員の立場で、梅田母娘を降ろすなど(ましてや警官を使って降ろすなど)もってのほか。むしろ、乗客へ理解を求める配慮を示すべきだったでしょう。泣き叫ぶのが幼児だったらオッケーで、障害者はダメ…というのであれば、明らかな差別です。
 あと、記者については、粗略な記事によって、読者の誤解を招いたうえ、取材対象の梅田さんに迷惑となる波紋を呼んでしまった責任がありますよね。「しっかり締めずに」という箇所を、「締めていない」と読み取られる可能性は、確かにあります。
 梅田さんにとって、ご自分が「障害者の娘が嫌がるので、シートベルト非着用での搭乗にこだわった自己中心的な母親」などと、決め付けられるのは、不本意であるはず。実名も出ていることですし、おつらいでしょう。
最初は『毎日』の記事を読んで、強制的に降ろした機長の判断は正しいと思った*2。しかし、この判断は留保せざるを得ない。ただ、疑問なのは記者が原稿を事前に梅田さんに見せて、内容や表現の確認をしなかったのかどうかということ。新聞のインタヴューにおいてはそういう習慣はないのか。
嫌がって声を上げたということだが、果たしてそれが飛行機の離陸に影響があるほどだったのか(「シートベルト」は締めていたということだ)。赤ん坊が泣き喚くというのはそれほど珍しいことではないだろう。「客室乗務員」も泣き喚く赤ん坊に対応する訓練は受けていても、そうする大人に対応する訓練は受けていなかったということか。
それにしても、この件を知的障碍者一般に結び付けるのはよくないだろう。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080828/1219933079 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080831/1220145450

*2:このような重大事項は「客室乗務員」の一存では決定できないだろう。