取敢えず、Emily Honigのテクストを


上海料理は甘ったるいということを散々いってきたのだが、実は上海料理というのはそれだけではない。これは上海という都市の生成、或いは上海人というカテゴリーというか想像の共同体の構成にも関わっているのだが。例えば、上海料理には鹹い味付けのものがある。これは浙江省、特に寧波辺りの味付けに由来するもので、上海人を構成する有力な一派としてこの辺りから移住してきた人たちがおり、またこの辺りの言葉は上海語の生成にも影響を与えている。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080312/1205319772
甘ったるさを上海料理にもたらした蘇北人問題というのは、実は現在の上海でも敏感な(会話とかで言及するのは要注意な)問題である。この問題についてのアカデミックな言説ということで、


Emily Honig “Pride and Prejudice: Subei People in Contemporary Shanghai” in Perry Link, Richard Madsen, and Paul G. Pickowicz (eds.) Unofficial China: Popular Culture and Thought in the People's Republic, Westview Press, 1989, pp.138-155

Unofficial China: Popular Culture And Thought In The People's Republic

Unofficial China: Popular Culture And Thought In The People's Republic


を指示しておく。
また、陳映芳主編『棚戸区 記憶中的生活史』(上海古籍出版社、2006)*1を参照されたい。