「因果連関」から「相互連関」へ(メモ)

承前*1

歴史・文化・表象―アナール派と歴史人類学 (NEW HISTORY)

歴史・文化・表象―アナール派と歴史人類学 (NEW HISTORY)

『歴史・文化・表象』からの抜書き。
George Duby「歴史認識における座標軸の転換」から。
デュビは現代の歴史家たちが「因果連関causaliteの原理そのものを問題視している」(pp.6-7)という――


因果連関という考え方は、従来さまざまな形で、歴史認識の基礎となってきました。事件史的な実証主義歴史学においても、時間的前後関係のうちに直線的な因果関係が想定されていました。しかし、いまや歴史家たちは、諸現実の絡み合いのなかから生まれるある種のまとまりcoherenceの方を問題にする。因果連関よりは、相互連関interconnexionを注意深く見分けていこうとしているのです。(p.7)