太田省吾

『朝日』の記事;


劇作家・演出家の太田省吾さん死去 「沈黙劇」高い評価

2007年07月13日21時20分

 せりふを排除した前衛的な「沈黙劇」で知られ、「水の駅」などの代表作が海外でも高く評価されている劇作家・演出家の太田省吾(おおた・しょうご)さんが13日午後5時10分、肺がんによる肺炎のため、東京都内の病院で死去した。67歳だった。葬儀は行わず、後日「お別れ会」を開く予定。連絡先は魁文舎(かいぶんしゃ)(電話[省略])。
太田省吾さん


 中国済南市生まれ。62年に学習院大を中退し、68年に劇団転形劇場を結成。70年から主宰した。俳優がせりふを語らず、極度にゆっくりとした動きで演じる「沈黙劇」のスタイルを確立した。能舞台を使った「小町風伝」(77年)で岸田国士戯曲賞を受賞。81年「水の駅」、85年「地の駅」、86年「風の駅」の沈黙劇3部作などの代表作を生んだ。「水の駅」は世界20都市以上で上演を重ねた。劇団からは、大杉漣さんら個性派俳優が輩出した。

 88年に経済的な事情から転形劇場を解散。その後、近畿大教授、京都造形芸術大教授・映像舞台芸術学科長などを歴任した。劇団解散後の代表作に「更地」(92年)など。著書に演劇論「飛翔と懸垂」などがある。

 〈劇作家・別役実さんの話〉「小町風伝」からの沈黙劇に、一歩先をゆく前衛性、先進性を感じた。商業的な展開を一切せず、演劇の持つにぎやかさからも距離を置いて、舞台空間と孤独に格闘する姿が印象的でした。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0713/TKY200707130450.html