植木等死す

『読売』の記事;


「日本一の無責任男」植木等さんが死去

3月27日21時12分配信 読売新聞
 映画「ニッポン無責任時代」や「スーダラ節」の歌などで、日本中に笑いを振りまいたクレージーキャッツのメンバーで、俳優の植木等(うえき・ひとし)さんが27日午前10時41分、東京都内の病院で呼吸不全のため亡くなった。80歳だった。

 告別式は故人の意向により、近親者のみで行う。連絡先は渋谷区神宮前4の2の12のワタナベエンターテインメント

 三重県にある浄土真宗の寺の三男に生まれ、11歳で上京。東洋大学卒業後、いくつかのバンドを経て、ハナ肇さん率いるクレージーキャッツに参加。ハナさんや谷啓さんらとともに主要メンバーとして、斬新な音楽コントを演じ、注目された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000012-yom-ent

また、『報知』の記事;

俳優の植木等さん死去

3月27日19時56分配信 スポーツ報知
 俳優の植木等さんが27日午前10時41分、都内の病院で呼吸不全のため死去した。80歳だった。所属事務所によると、1997年に肺気腫を患いながらも仕事を続けてきたが、今年1月16日に食欲不振を訴え検査入院。今月8日に一時帰宅したが、翌9日に再入院。2週間前から病状が悪化し、意識が混濁。この日、永眠した。故人の意志を尊重し、告別式・通夜は密葬で行い、開場や時間などは非公開だという。


 1957年から「クレージーキャッツ」のメンバーとして活動。61年に青島幸男さん作詞の「スーダラ節」が大ヒットし国民的人気者に。翌年の「ニッポン無責任時代」に始まる映画「無責任」シリーズで、日本中にブームを巻き起こした。

 テレビのバラエティー番組「シャボン玉ホリデー」では「お呼びでない」など多くの流行語を生んだ。

 歌手としては「スーダラ節」のほかに「五万節」「ハイそれまでョ」などのヒットがある。93年に紫綬褒章、99年に勲四等旭日小綬章
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000191-sph-ent

私の大学の大先輩である。
「スーダラ節」の語源はシュードラであるとは平岡正明説。また、山崎正和氏は『ニッポン無責任時代』をネタに「無責任」と無限責任が表裏一体であることを論じていたと思う。
また、植木等さんの父親の植木徹誠師は浄土真宗僧侶で戦前の水平社運動に活躍された方。徹誠師については、尾畑文正「仏教の社会倫理」の中で、

 この近くで、しかも名古屋にご縁がある方であれば、植木等さんのお父さんに植木徹誠という方がおられたということは御存知だと思いますが、どうでしょうか。植木等さんは名古屋で生まれたそうですね。お父さんの植木徹誠は三重県の方です。おつれあいのお父さん(真宗大谷派僧侶)のご縁で植木徹誠が僧侶になり、宮川村の常念寺の住職になってから、名古屋から三重県の宮川村に移り住んだ方です。ですから植木等さんは、生まれは名古屋、育ちは三重県、更には東京です。
 お父さんの植木徹誠は私が尊敬するお坊さんのお一人です。彼は全国水平社の三重県支部から伊勢市にある被差別部落の寺院に入寺を請われて、伊勢の地で部落解放運動に邁進することとなります。ちょうど、アジア太平洋戦争時代と重なっているころです。そのころ出征兵士に向かって、植木徹誠は、「戦争は集団殺人だ」と、だから、「殺してくるな、殺されてくるな」とおっしゃったそうです。こういう言葉を出征兵士に言ったということが特高警察の耳に入り反戦思想の喧伝ということで獄中生活をおくったそうです。もちろん、それだけではなくて、部落解放運動を指導していたということで、治安維持法違反で合計三年間の獄中生活をされたそうです。その中のひとつが、戦争に反対する発言をしたことによる拘束だったと聞いております。これも戦争に対する一つの態度表明だったわけです。
http://www.ohigashi.net/sindoukouza0607.htm
と言われている。
ところで、アフリカ大陸の文学を紹介された土屋哲氏が亡くなったという報もあり;

<訃報>土屋哲さん83歳=ナイロビ大・明治大名誉教授

3月26日12時5分配信 毎日新聞
 土屋哲さん83歳(つちや・さとる=ナイロビ大・明治大名誉教授、アフリカ文化専攻)25日、心不全のため死去。葬儀は29日午前9時半、東京都町田市金森437の町田総合斎場。自宅は非公表。喪主は妻明子(はるこ)さん。
 ナイジェリア・イバダン大、ケニア・ナイロビ大などで日本文学を教えた後、同大やセネガルダカール大に日本関係の講座を開設した。著書に「近代化とアフリカ」「古層文明から21世紀を読み解く――“気”の比較文化誌」など。ジョン・ガンサー「アフリカの内幕」の翻訳などで、日本にアフリカ文化や文学を紹介した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070326-00000040-mai-peo