「最後の抵抗勢力」?

http://d.hatena.ne.jp/Mr_Rancelot/20070223/p2で知る。
天木直人氏曰く、(『サンデー毎日』3月4日号によれば)


 小泉前首相は「女系・女性天皇、是か非か」をめぐって昨年大騒ぎをした皇室典範改正案について、「今国会で必ず上程する。上程は構造改革の一環だ」、「皇室は最後の抵抗勢力だ」と自民党幹部の会合で言い放ったというのだ。

 私は天皇制や皇室に関し特別の思い込みがある者ではない。その私でさえもこの小泉発言が事実であるとすれば驚愕する。あの小泉劇場で悪者の象徴として使われた「抵抗勢力」を皇室にもぶつけていたのである。万世一系天皇制を定めた皇室典範を、日本の悪しき官主導の諸制度と等しくならべて、構造改革すると叫んだのである。

 サンデー毎日は、さらに次のような小泉前首相の言葉を紹介している。すなわちある年の新嘗祭三権の長の一人として陪席した小泉前首相は、伝統に沿って薄暗い暗いところで儀式を取り進めておられる天皇を見て、一体なにをやっているんだと同席者の一人につぶやき、「明かりをつけろ、これは改革だ」と同席者に口走ったというのである。これはもう滅茶苦茶である。伝統や儀式を一顧だにしない姿勢である。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/02/21/#000271

Mr_Rancelotは「ある種の狂気じみた合理主義」という言葉を使っているが、新自由主義を突き詰めれば、こういうふうになるということは想像に難くない*1。また、これは

『なぜ子供が減ったか*2』というhasenkaさんの記事のタイトルを見て、その文章を読む前に反射的に私の心にうかんだ回答は「子供がフリーライダーだから」。社会にタダ乗りをしている人間を正面から認めるような説明が今失われている。失われている、というか無効なのかな。ホームレスしかり、老人しかり。あるいは失業者。病人。引きこもりもそうかもしれない。社会的弱者を救え、といえば「なにタテマエを」という反応が大手をふる昨今である。子供なぞ社会のフリーライダーのさいたるものだ。ただ乗りしやがって、という雰囲気が社会にあるうちは子供が減るのもあたりまえである。それだけ寛容さがうしなわれているということなのだ。
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20070208
ということにも通じているのかも知れない。ここで挙げられたリストの中に「皇室」が入ってしまう可能性もあるということだ。

*1:日本における代表的な新自由主義の思想家である大前研一氏も天皇制には否定的ではなかったか。

*2:http://d.hatena.ne.jp/hasenka/20070206/p9